2009/12/24

イヴの夜にヴィーナス盤のスティーブ・キューンってどうかなぁ?・・・  木曜:Jazz & Classic Library


本日は午前中サーバーメンテの為にご迷惑をお掛けしました!
今週火曜日のページにGoogleのストリート・ビューを埋め込んだところ動作が異常に重くなったので本日外しました。またブラウザでSafari(Mac、Win双方)では異常がありませんでしたがIEをお使いの方から翌日以降のアクセス時になぜかストリート・ビューから読み込まれるという不具合の報告が『拍手コメント』で寄せられました。お名前がわかりませんでしたが重要な情報をありがとうございました。ストリート・ビューを外した事でこれらは改善されたと思います。この件に関しまして何かありましたらメッセージやコメント、拍手コメントでお寄せ下さい。


さて。

ピアノ・トリオにしてダイナミックで、ついついトリオである事を忘れてしまいそうになるワイドレンジなスティーヴ・キューンの世界。
21世紀の最初の10年の終末にピッタリのピアノトリオ・ジャズだと思う。

ヴィーナスというレーベルは一度も買った事のないレーベルなのでポリシーがわからないのだけど、このところスティーブ・キューンを乱発しているのでCDショップの店頭ではいやがおうにも目に付いてしまう。
ただ、あくまでも個人的な好みの点で、

(1)脈略の無いスタンダード曲が多数収録されている事
(2)リリース・ペースが早すぎてアルバム1枚に対する完成度に疑問がある事
(3)大量発売でアルバム毎のカラーが外見からは伝わってこない事

と、いうところがどうにも好きになれず「買う」のは控えていた。
僕はどんなアルバムでも自分が買いたいと思えば買う。有名だろうが無名だろうが、アルバムを手にとって音を聴く前に伝わってくるものがあれば、だ。

もちろん「失敗」する事もあるが、自分で買ったアルバムは今まで一度もオークションに出展などした事がない。「失敗」と思っていたアルバムでも時間が経つと、自分の耳も時代と共に変化するので「その時代の音と自分」として手元に置いている。

この方法で買うと思ったよりも失敗は少ない。
試聴などしないで買うから耳がいつでも新鮮なままだ。
それに、一度買ったらそのまま、というアルバムも少ない。
「ふ」とした時にいつでも聴けるようにしてある。

さて、それで今回はヴィーナス盤の初スティーブ・キューン。


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『SING ME SOFTLY OF THE BLUES/Steve Kuhn』(venus/1997年)

このアルバムのおよそ8年ほど前にリリースされたアルバム『OCEANS IN THE SKY/Steve Kuhn』(owl/1989年録音)は誰に聞いても評判がいい。21世紀最初の10年の終末に僕の車ではこのアルバムが頻繁に流れているので乗った人は皆「これ誰ですか?」と興味を示す。
この20年来のピアノトリオ・ジャズのアルバムでは最高峰だと賞賛する。

その耳でこのヴィーナス盤を聞くと正直なところ幻滅した。
それは録音の悪さに呆れてしまったのだ。

何となくこのシリーズは“怪しい”・・・と感じさせていたのは、コレだったかー。
予知能力あり。

ベースは歪みまくり音量のバランスは最低に「デカい」。オン気味が好みらしい?
ドラムはどうしようもなくライブ音でレアな響きのまましかもオフ気味。シンバルもタムもスネアも余計な残響に粒立ちは掻き消され、ドラム一人が風呂場で録音させられたような本当にどうしようもない録音だ。まるでオーバートップのノイズ・マイク1式で録ったような音。無茶苦茶です。

単に全体の音質が悪いだけならまだましだが、ドラムは遥か昔の50年代のような音、ベースはアンプリファイヤされた70年代の音、ピアノはアナログ指向な90年代の音、と、楽器それぞれの質感がアンバランスで無茶苦茶なんだ。まさかドラム用のマイクが足りなかったとか・・・・あり得ない。。
もしも回顧主義でこのような録音バランスを取ったのなら悪趣味。
「嫌な音を無理矢理聴かされる」違和感。
音楽の内容以前の問題が多過ぎる。

レーベルにはレーベル毎のカラーがあってしかり。そういうセレクションを経由して手元に届くのがアルバムであり、そこには何人もの手を経て出来上がった形がある。
その形にはアーチストの思惑もあるが、ジャケットやデザインも含めたレーベルのポリシーが購買者の趣向と一致するかどうかで「贔屓の客」となるかどうかが決まる。

アーチストの次に重要なファクター。
それがアルバムの場合は録音センスだと思う。
同じマスター音源を違うレーベルに渡すと、まったく違う仕上がりになる。
いや、そうならない所はレーベルと呼んでほしくない。
そこで趣向がわかれるのがジャズの妙で不思議で面白いところかもしれない。

もしも「迫力」「ライブ感」などというものを誤解してこんなミックスにしているのなら見当違いもいいとこ。
事情でロウバジェットとしても、これはミュージシャンに対して失礼だ。
可哀相にドラムはきっちりとピアノやベースのモニタリングが出来ておらず、各所でズレまくり。
明らかにこれはミュージシャンのせいではない。
録音環境を整えられなかった側に責任がある。
これならライブハウスでワンポイント・マイクロフォンで録音したほうがずっと演奏はマシだ。

外見的には不可思議な選曲といい、乱発気味なリリース周期といい、実際に買ってみると最悪の録音といい、問題だらけ。

さらに加えると、CDジャケットの裏面はどうやらLP用(97年当時にアナログ盤を出していたのか!?)で曲目は無茶苦茶。1曲目から違う曲が始まるのでミス・プレスかと思った。どうやらCD化で没テイクを混ぜたらしいが、1曲目から違うのは「あり得ない」。

もう、ここまで読んで「最悪!」と同感される諸氏も多いだろうね。

ちなみにこのアルバムの1年後の同レーベルのキューンも同時に買っているのだけど、こちらはベースがデカ過ぎでサウンドが落ち着かないミックス。
どうもこのレーベルの「音作り」とは趣味が合わないらしい・・・・。
困ったものだ。

しかし、この僕にとっては劣悪な状況下で、それらの“障害や欠陥”に目をつぶりながら聴くスティーヴ・キューンは実に哀愁に満ちていて素敵だ。

よーし、それじゃぁ音響の悪いライブハウスで聞いていると思えばいい。(笑)
妙にベースが前にセットされてピアノのかなり後方でピアノからはちょっと見えにくい柱かなんかの向こう側にドラムがセットされている店だと思えばいい。(どんな店や!)

CDの本当の1曲目“This Is New”は聴き慣れたスタンダードなのに、感極まりそうなキューンのフレーズとコードサウンドが魅力。ベースのソロは「デカ過ぎ」だけど流石はジョージ・ムラーツと思う。ライドレンジなキューンとムラーツのソロを受けたドラムのピート・ラロッカの8バースは微妙にズレているのが残念だけど小気味良い。ひょっとしてラロッカがヘッドフォンを嫌ってモニターを直耳で演奏しているのかも? と思わざるを得ない。(もしもそうならドラムの音の悪さは理解出来る)

2曲目“Dance Only With Me”は静かにベースをフィーチャーしたワルツとして始まる。ところがキューンのソロが始まるとイーブン・フィールで自由奔放に駆け回って実に爽快。
キューンがソロの中で何度も1935年のミュージカル・ソングの“Little Girl Blue”のワンフレーズを弾くので、「あれ?これ曲名のミスクレジット?」と思ってしまった。(笑)

3曲目にしてLPでの1曲目であるキューンのオリジナル“Chickin Feathers”に。
ドラムの音が完全に炸裂しているのが気になって仕方がない。
経験上こういう録音になるのは、やたらと音のデカいドラマーという事もある。ラロッカはそんなに音がデカいのだろうか?
演奏はスリリングだけど録音が悪すぎてちょっと聴き辛い。

“My Funny Valentine”はピアノトリオの同曲の演奏と言うよりも、途中から60年代初期のマイルス・デイビスが出てきそうな雰囲気が漂う魅力的な演奏。
これは1960年前後にジョン・コルトレーンのバンドでマッコイー・タイナーのトラを勤めていた事を窺い知る事の出来る素晴らしい演奏だと思う。

アルバム・タイトルでもあるカーラ・ブレイの名曲“Sing Me Softly Of The Blues”はこれまでどのミュージシャンが演奏したトラックよりもワイルドでホット。そのキューンのnarcissismに思わずニヤリとしてしまう。

かつてのボス、コルトレーンの名曲“Naima”はソロで。こういう曲はキューンの音楽性にピッタリで一度コルトレーンのグループでの演奏を聴いてみたかったなぁ。
(嬉しい事に2009年にECMレーベルからコルトレーンのマテリアルを中心に演奏したキューンのアルバムがリリースされている。ECMというところがまた嬉しい。)

スティーブ・キューンの名前を高めた60年代終盤から70年代にかけてのトリオのレギュラー・メンバーでもあったベースのスティーブ・スワロウのエンドレスなワルツ“Sticky Kisses”はキューンの十八番。
スタンダードを遊ぶキューンもいいが、やはりこういう知的なオリジナル・ソングが一番よく似合う。

ガーシュインの“Who Cares?”、ジョンソンの“Lament”、最終曲の“The Very Thought Of You”はそれぞれスタンダードを軽く流す感じ。
最後の2曲はラロッカがブラシで演奏するのだけど、そうするとちょうど良いバランス(ベースは必要以上にデカいが)になる。

そうなると、最初LPを作るつもりでセッティングされたスタジオはそんなに大きくないところで、静か目に耳慣れたスタンダードでも軽くキューン立ちに流してもらったのを録ろうとでもしたのだろうか。

没になっていた“Dance Only With Me”、“Naima”、“Sticky Kisses”の三曲の演奏にこそスティーブ・キューンの魅力が詰め込まれているように僕は思ってしまった。

制作サイドの予想を遥かに越えたヴォルテージに演奏されたそれぞれのテイク、といった感じなのかもしれないけど、やはりキューンの音楽には“華”があるのだから、それを最良の方法でまとめないと、ホントもったいないよー。

音質はともかく、いつも以上に炸裂するキューンは、まるで60年代終盤のアルバムのよう。
聖なる夜に“Naima”や“My Funny Valentine”はお薦めです。



ところで・・・

今日はクリスマス・イヴ。

今年は初めてLEDの電飾をちょっぴりしてのクリスマスに。
そうなるとBGMはますますコレっきゃない!

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我が家の定番。

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『A GRP CHRISTMAS COLLECTION』(grp/1988年)

恐らくこれに優るクリスマス・ジャズソング集はないでしょう。登場以来21年。欠かさずクリスマスに流しています。

・・と。。
この写真を撮りにリビングに行くと・・・・

これを書いてる只今時刻は12月24日午前3時過ぎ。。

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何やらキッチンのほうでゴウゴウという音が・・・

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どうやらオーブンからの音のようです。

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なんだろー?

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くんくん?

辺りにはちょっとあまーい香りが漂っています。

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さっき家人は寝てしまったし。
いったいこれが何に変身するのだろう??

うーん、なんとも気になる「甘ーい香り」に包まれながら・・・

HAVE A NICE CHRISTMAS !


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チェキラ!
タグ: Jazz ジャズ CD



2010/1/18  4:52

投稿者:あかまつとしひろ

>25-25さん、
内容がよければ多少の音質には文句は言うまい、と思っていましたが
、内容を悪くするヴィーナスの音質には閉口しました。もう二度とこの
レーベルは買いません。

最近はどこもバランスのとれた録音をしているので昔ほど特徴のある
レーベルは減りましたが、意外とブルーノート・レーベルのピアノの音
はコロコロしていてあまり好みではありません。ドラムとかのラフな感じ
はとても好きなのですが・・・

2009/12/25  1:24

投稿者:25-25

赤松さん、ヴィーナスのデリカシーに欠ける
やたらと大音量の録音に辟易していた小生としては、
このエントリーは、まさに「我が意を得たり!」です。
録音技術の低さ、センスのなさを感じていたのは、
私だけではなかったんですね!
それと、さすがに最近はあまり見かけなくなりましたが、
一時期ジャケ・デザインがワンパターンなお色気ジャケが
続いたのにも、うんざりしていました。

レーベルでいうと、私が
「ここは、スベらんなあ!」と感心するところは、
Bethlehem と Criss Cross ですね。



http://www.morimoto-clinic.org


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