2010/3/11

あのソニー・シャーロックの変形ボトルネック奏法は70年代の幕開けだったのかもしれない・・・  木曜:Jazz & Classic Library


強烈な寒気団と低気圧の通過によって大荒れになった9日、そして10日でしたがみなさんいかがでしたか。

ちょうどその日は“南国”と呼ばれる実家の愛媛・松山市に立ち寄っていました。

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実家のある一番町界隈はいつものように車やバスで渋滞する通りの真ん中をゴウゴウと路面電車が闊歩。

しかし、いつもとどこかが違います。。。

それは・・・

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後ろに見える山が「真っ白」に雪化粧。
なーんだ、とお思いかもしれませんね。
でも、この付近で滅多にない事で流石に通りを歩く人は前かがみで足早に。

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今日は卒業式だったようで、この付近で謝恩会でもあるのか、さっきから市電が着く度に卒業式を終えたのが一目でわかる女子大生達が「寒ーっ!」と叫びながらアーケード街に消えて行きます。

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冬に逆戻りを超えて滅多に見られない冬景色の松山でした。

午後7時半過ぎに松山を特急で出て午後9時40分過ぎに坂出から寝台特急サンライズ瀬戸へ。

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今夜は再びシングル個室が一夜の宿。

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いつものようにパソコンをベッド脇にセットし、iTunesを起動。

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さて。
本日のJazz & Classic Libraryはこの寝台の中から。

アルバムはコレ!


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『LIVE AT WHISKY A GO GO/Herbie Mann』(atlantic/1969年)

ロスのクラブ「ウイスキー・ア・ゴー・ゴー」は有名なライブハウスだったようで、確かボサノヴァ・ブームにのって絶好調期のスタン・ゲッツもこのクラブでのライブ録音を行っている。(『Getz au Go Go』)
また、ロック、ソウル、ディスコ界では様々な有名バンドがこのクラブの専属バンドとなったりライブ・レコーディングしているようだ。

そんな先進的なクラブでフルートのハービー・マンが当時の若手精鋭を集めて行ったライブ。
ハービー・マンと言えばちょっと年齢が上の人には『カミンホーム・ベイビー』、僕らの世代なら『メンフィス・アンダーグラウンド』という二大ヒットアルバムがあるジャズ・フルート界のリーダーだった。
当然ながらそれだけの人気者だから賛否両論あるのは十分わかる。
賞賛だけなら本当の人気者ではない、と言う。
「嫌い」な人の耳にも聞こえてくるほどの浸透力、それが人気者の証拠だ。

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備え付けの浴衣に着替えてゴロリンと横になりながら、、、っと

ハービー・マンがバリバリ演奏していた時期のジャズ界はとにかく「売り文句」が無ければすぐに埋もれてしまうほど過酷な世界だった。
走り出したら停まれない、自転車操業というのはおかしいかもしれないけど、次から次へと「話題」が先行した時代だった。

今のように「情報が一枚岩ではない時代」とは違って、一つ話題になればどこまでも無限大に浸透する社会構造が音楽業界にも、さらにその中でもさらにマイナーなジャズ界にもあった。今のように「第一人者」とか「トップスター」とかが100人も1000人も何万人もいるようなおかしな世界じゃない。

ジャズ・フルートという分野で、間違いなく「第一人者」であり「トップスター」だったのはハービー・マンをおいて他ならない。

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このアルバム、当時のLPでA面B面それぞれ1曲という、どちらかと言うと比較的短めの曲が多くスマッシュヒットを飛ばしていたハービー・マンにしては珍しいものだった。

A面が“OOH BABY”15分12秒、B面が“PHLLY DOG”14分13秒。

メンバーは、
ハービー・マン(fl)
スティーヴ・マーカス(ts)
ロイ・エアーズ(vib)
ソニー・シャーロック(g)
ミロスラフ・ヴィトウス(b)
ブルーノ・カー(ds)

“OOH BABY”はミディアム・ロックでブリッジの部分に特徴がある曲で当時のアンニュイなロックミュージックの雰囲気が好きだ。“PHLLY DOG”はアップテンポのいわゆる12小節のブルース・フォームによるロック。
つまりは、当時のジャズ&ロック路線にステイした激レアなアルバム。

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これは予想なのだけど、ウイスキー・ア・ゴー・ゴーは時代の風雲児が登場するクラブだったようで、先のスタン・ゲッツもボサノヴァ・ブーム盛りの頃の出演で、このハービー・マンも大ヒットアルバム『メンフィス・アンダーグラウンド』リリースの同時期。
当時ロックの殿堂とされたニューヨークの「フィルモア・イースト」ロスの「フィルモア・ウエスト」よりは幾分小振りな店ながらカルチャーに敏感でよく似た形態の小屋のようだ。
調べてみるとアメリカで最初のディスコとされ、60年代に世界中で爆発的に流行ったゴー・ゴー・ダンス(ミニスカートのダンサーが檻の中に入って踊るスタイルを発端とするカルチャー)発祥の地。

演奏はライブらしく元気一発、リポビタンD。

ハービー・マンのフルートもワイルドでスタジオ録音とは明らかにヴォルテージが違う。

当時若手の旗手とされたスティーヴ・マーカスはこの人独特のダイナミクスを使った細かいフレーズが聞こえてくる。これはこの時期に注目されていたサックス奏者に共通する特徴で、スティーヴ・グロスマン、ジョー・ファレルなどもとてもニアンスが似ている。
この世代の次に登場するマイケル・ブレッカーとは明らかに違うのだけど、ブレッカーが膨大な数のスタジオ・ワークをこなしていたのに比べると彼らは目立ち方が違っていたのか、あまりそちらの方面での活躍を耳にしなかった気がする。

良くも悪くもこのバンドの中ではマンに続いて年長組のロイ・エアーズ。僕がヴァイブ奏者なのでこのアルバムでは彼をピックアップして聞いていたのかと言えばさにあらず、印象としては何となく若者の中に一人だけ「オッサン」(失礼!)が混ざっているような感じを当時から持っていた。それなりに激しい演奏なのだけど、同じところを何度もグルグル回る感じがなんとも言えず、この頃すでにゲイリー・バートンを耳にしていたのであっちのほうがいいな、と。
それでもハービー・マンの信頼が厚く、後に名プロデューサーとしてロイ・エアーズはソウル、ファンク、ヒップホップの世界で人気者となる。
この辺りのタレント性を見抜くのもハービー・マンの凄いところだ。

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ベースのミロスラフ・ヴィトウスはここではエレベのようなパターンを弾いている。
この頃のヴィトウスの紹介ではチェコスロバキアから亡命寸前にアメリカのジャズ界へ飛び込んで来た18歳の天才ベーシスト、とあって、それを当地のジャズコンテストで拾い上げたのがハービー・マンだった。
ここでの演奏はマンの命令に素直に従うヴィトウスなのでどこがどうのという事は殆どないが“OOH BABY”のブリッジのベースラインは当時“グッ”ときて何度も聞き返した。
その後マンのプロデュースでアルバム・デビューしてからのミラクル・ストーリーはジャズを御存知の人なら説明の必要はないでしょう。

なんと言ってもこのアルバムの主役はギターのソニー・シャーロックになってしまう。
この奇々怪々なギター・スタイル。
ボトルネック奏法の変形。
最初耳にした時は何事かと思った。
しかし、聴く内に当時僕は「これはロックの破壊力を持ったジャズだ」と感じた。。
当時の僕のアイドル、同じくギターのラリー・コリエルに比べると話題の取り上げ方がアヴァンギャルド的でそう多くの人の耳には届かなかったかもしれないシャーロック。
しかし、このガバゴボゲベと当時の評論家氏に形容されたシャーロックのスタイルは延々と続いていた事を最近知った。

ドラマーのブルーノ・カーについては特に何か特徴があるわけではなく、ピアノレスのこのバンド・サウンドの縁取りと立体化に貢献している。

ともあれ、このハービー・マンのライブは、それまでの彼の印象を覆すようにワイルドで、ちょっと崩れかかった古い風習をソニー・シャーロックのガバゴボゲベで完全に打ち消しにかかった、野心的なアルバムだったように思うのです。

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さあ、そろそろ就寝タイムかなぁ・・・

おやすみなさーい!

ロイ・エアーズ以外のメンバーによる当時のハービー・マン・グループの映像がYouTubeにありました。


今見てもソニー・シャーロックの演奏は摩訶不思議です。


・・・・
と、心地良く寝台列車の揺れに身を任せて熟睡の3月11日早朝。

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外は快晴!!

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そして列車はもうすぐ終点の東京駅。

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こう、スッキリと晴れると、なんかいい事がありそうな一日。
そう思いませんか、みなさーん!

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チェキラ!
タグ: Jazz ジャズ CD




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