2010/3/18

オリバー・ネルソンと言えばやっぱりコレですね  木曜:Jazz & Classic Library


王道中の王道。
どの世界にも「定番」、「定石」、「定食」・・・?、のたぐいがありますが、何でも最初にソコから入ればいい、というもんじゃありません。「チラ見」しながら通り過ぎるのがいいかな(笑)。

まぁ、音楽は趣向の世界。
お決まりばかりじゃ面白くも何ともありませんから。

しかし、どんなにアウトロー路線を辿っても「耳」に聞こえて来るもの、それがまた「定番」、「定石」、「定食」・・・?(もういいっか)、の凄いところなんですね。

本日のアルバムはコチラ!
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『BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH/Oliver Nelson』(impulse/1961年)

Oliver Nelson(as,ts,arr)
Eric Dolphy(fl,as)
Freddie Hubbard(tp)
Bill Evans(p)
Paul Chambers(b)
Roy Haynes(ds)

Feb 23 1961

オリバー・ネルソンという名を初めて意識して受け入れたのは13歳の正月だった。
当時NHK-FMで毎週木曜日の夜8時から二時間に渡ってオンエアーされていたジャズ番組の『ジャズフラッシュ』。
毎年正月は新春スペシャル枠でお昼過ぎから前年に行われた世界各国のジャズフェスティバルの音源を流すという、地方でジャズの情報に飢えていた身にはまさに感涙ものの番組だった。

(こんな番組、今あったら逆に面白いと思うなぁ。ラジオという音だけの世界、実に快適だもの)

この日は後にアルバムのライナーノーツも書いていただいた児山紀芳さんの担当で、スイス・モントリュー・ジャズフェスティバルの模様をオンエアーする、とレギュラー枠で告知していた。

目玉は「71年のモントリュー・ジャズフェスティバルで話題を集めたステージから、ドラマー、サニー・マレーのグループ、そして久し振りの再会ゲイリー・バートンとラリー・コリエル、人気のガトー・バルビエリをゲストにしたオリバー・ネルソン他をお届けします」

この頃にはラリー・コリエルを経てゲイリー・バートンに興味を持っていたので当時実家にあったステレオのオープンデッキを用意してこのオンエアーを楽しみながら記録した。

世の中あるところにはあるんですねぇ。
こんな昔の映像がYouTubeにありました。
オンエアーされたのはこの曲でしたね。ちなみにベースとドラムは同じヴァイブ奏者ロイ・エアーズのバンドのリズムセクションです。当時の児山さんの解説を覚えているので間違いないでしょう。


なぜ臨時編成なのかと言えば、この時ゲイリー・バートンはソロ(独奏)のライブアルバムを作る為に単身モントリューに来たようですが、その収録と合わせてこのセッションが行われたようです。後にそれはスタジオの多重録音テイクと合わせて『ALONE AT LAST』(atlantic)というアルバムになっており、このアルバムでゲイリー・バートンはグラミー賞を取っています。

さて、話はオリバー・ネルソン。

調べてみたらありました。
これも同じ年のモントリュー・ジャズフェスティバルで話題になったガトー・バルビエリ(ts)をフィーチャーしたオリバー・ネルソンのビッグバンドのステージです。


この時のオンエアではこのバルビエリがゲストに入る前にネルソンのビッグバンドだけの演奏が流れました。
それが今日のアルバムで有名になった1曲目の“Stolen Moments”。

ジャズ研出身の人なら「定番中の定番」と呼ばれるこの“ストールン・モーメンツ”。
この世界でアウトロー的にやって来た僕らには「定番」はありませんから記憶に残っているかどうかが全てでした。もっとも大半の曲はジャズ喫茶に通って覚えて行ったのですが・・・

この曲のテーマの内声で半音がぶつかっているブロック・コードが好きで、まだコードの事もよくわからない当時にピアノで真似て弾いていました。後になればソロは「普通のCマイナーのブルース」と単純に割り切るものの、まだ周りにジャズを演奏する人が皆無な中学生の僕は、どうしてテーマの時に聴こえていたサウンドがそのままソロの時のバックグラウンドに一致しないのかが不可思議でならず、「なかなか一筋縄では行かない世界」に感じたものです。(笑)
でも、この半音がぶつかるテーマのサウンド、今聴いてもカッコいい。

ジャズをやるからにはブルースの一つも出来なくては、というのは「定番」的な発想。
僕はそう思っています。
ある程度コードの中で何かが出来るようになって、初めてブルースに触れるのも一つの方法。
本当にブルースに触れたくて触れたのと、そうじゃないのはやはり何かが違うような気がするんですね。もっと曲や音楽を尊重しなければ。。

“ストールン・モーメンツ”も、このFMを記録した頃に覚えて、結局この世界に入ってもなかなか演奏する機会は無かった。

しかし、人が演奏しているこの曲は何度も聴いた。
それだけやっぱりこの曲のテーマはカッコいいんだ。

2曲目“ホー・ダウン”の掛け声で始まるとっても明るいテーマ。
このアルバムの邦題は『ブルースの真実』というのだけど、これはどう聴いてもソロパートがいわゆるAABAのリズムチェンジと呼ばれるフォームの曲だ。
でも、この明るいテーマ。
ちょっぴり1960年代後半のフレンチ・コネクションのテーマソングのような陽気さが今聴くと新鮮。

3曲目の“カスケイズ”は16小節のブルースと同じサイズのAに4小節の“はみ出し”が付いたA、再びAに戻るという、ちょっぴり手の込んだフォーム。
ブルースをベースとして様式化しているのが面白いアイデアだと思う。
ただ、ラストテーマはとても分かりやすい普通のブルース・フォーム(今度は12小節の)になってしまうのはなんとも狐につままれたような。。。

四曲目は思わず「イェーイ!」(高島忠夫さん風に)と言いたくなるようなブルージィーなイントロがカッコいい“ヤーニン”(YEARNIN')。いよッ! 待ってましたっ! と言いたくなるようなテーマに続いてエリック・ドルフィー(as)が快演。

僕はエリック・ドルフィーが大好きで特に「ファイブ・スポット」のライブ盤Vol-1は昔から疲れた時や感情の捌け口が見つからない時に無心になって聴いた。時期的には臨時編成ながらエポックメイキング的なファイブスポット・ライブの半年前だけど、ドルフィーは実に活き活きとした演奏だ。
続くフレディー・ハバード(tp)、ビル・エバンス(p)もこのアルバムの中で一番軽快にスイングしている。

五曲目はかつてのビーバップ風なテーマがスリリングな“ブッチ・アンド・ブッチ”。
それだからか、みんながビバップ風なソロを試みるというシャレっ気たっぷりのテイク。

六曲目はポール・チェンバースのベース・イントロで始まる“ティーニーズ・ブルース”。
ちょっぴり「突飛」なテーマを持つ12小節のFのブルース。
エリック・ドルフィーの演奏はファイブスポットのライブ盤でもやっていたドルフィー・フレージングが炸裂。だからかどうかはわからないがテーマでぶつかるサウンドも大好きなファイブスポット・ライブの“The Prophet”そっくりだ。
おそらくこの時期ドルフィーはこのフレーズを使って自分のソロの入口を作っていたのだろう。ネルソンとのレコーディングもお互い良い刺激を受け合いながらの仕事だったのかもしれませんね。そんな事まで想像したくなるから音楽は面白い。

ブルースは好きじゃない。
ブルースはちょっと苦手。
全然興味ないんだけど、ちょっぴり雰囲気は身に付けたい。

そういう人には、ちょっぴり変化球も混ざっていてピッタリのアルバムですよ。
とにかく凄腕・ツワモノが揃ってブルースに対して何を提示するかという姿勢が迸り、すがすがしいほどの清涼感を持ったブルース・アルバムに仕上がっています。

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チェキラ!
タグ: Jazz ジャズ CD




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