2010/3/26

ソロの取っ掛かりには移動ドも相対音感も使え!・・・  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はvibraphoneやmarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第百六十九回目の今日は、『フレーズは移動ドに置き換えよ!』と言うお話しです。

昨日は年度末の「5」の付く日。
いわゆる「五・十日(ごとうび)」。

地方育ちの僕は東京に出て来た最初の頃に周りのミュージシャンが「ああ、今日は“ごとうび”だー」「あっ、いけねっ!うっかりしてたよ、“ごとうび”かー!」、と慌てて車に飛び乗って去って行くのを見て、「うん?“ごとうび”ってナーニ?」と。
すぐさまその響きから勝手に「御燈日」? と解釈し、「なんか、みんな信心深い人が多いんだなぁ、東京のミュージシャンは」と。(笑)

地方では道路が混んでもたかが知れてる。渋滞2キロとかで「スゲー混んでる」感覚。
東京では日常茶飯事。
その中でも、月間で特に混む日があり、それが「五と十(つまり0ね)の付く日」だから五・十日(ごとうび)。毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日は物流関係が納品する日に選ぶために道路に商用車が溢れ出す。だからそれらの日は混むんだ。

しかしこのところの不況で必ずしも五・十日が混むとは限らなくなって久しかったのだけど、さすがに昨日は本年度末最後の五が付く日。

雨が一日中降りしきり、さらに最悪な事に首都高が事故発生直後で出るに出られず・・・・(こういう日に限って事故するおっちょこちょいがいるんだ)・・・やっとの事で降りられた山手通りもご覧の通り。

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まぁ、年度末らしいというか、久し振りのグリグリ渋滞。
おかげでリハに20分遅れた。。。

まぁ、そんなこんな。帰りは帰りで年度末の工事がワンサカ。もう渋滞疲れでヘロヘロになった一日だったけど、帰ってからリハの録音を聴き返したり譜面のチェックをしたりする内に、完璧な朝を迎えてしまった。僕の夜を返せー!(嘘)。
3時間のリハ音源を二回聴いたら6時間、部分的に繰り返したりするとあっと言う間に7時間は過ぎる、、、ってこと、よ。

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取りあえず練習室に入れた楽器はこのまま組み立てずに明日を迎える

この春学校を卒業してプロや社会人としてヴィブラフォンやマリンバでやって行くにはまず免許、車、そして渋滞に対する忍耐力が必要ですぞ! マレット族のフレッシュマンのみなさん、今の社会情勢は音楽科には厳しいけど、頑張りませう。



このブログで過去に『音楽は移動ドで』と明言した。
移動ドにまつわる話題も、何度も取り上げた。

詳しく知りたい場合は左のサイドメニューのTwitterの上に表示されてる「ブログ内検索」にワード“移動ド”と入れて、下の「このブログを検索」にチェックマークを入れてクリック。

先週のフレーズを作るヒントではメロディック・アナライズとハーモニック・アナライズをベーシックにフレージングの設定へと発展させたけど、今日は『ソロの取っ掛かりには移動ドも相対音感も使え!』と題してコードを使ったインプロ(アドリブ)に移動ドと相対音感が必要という事を実践してみます。

先週までの「復習」はコチラからドゾ→2010年3月19日金曜ブログ『アナライズが終わればフレージングの設定はシンプルな発想から・・・がヒントに』http://sun.ap.teacup.com/vibstation/1240.html

口では「移動ドが肝心だ」とか「絶対音感はいらないから相対音感を磨きなさい」とか言うのだけど、その具体例を示したものはあまりない。
人間の音感の話なので譜面で説明しても仕方が無い点があるのも事実。
しかし今回はそのタブーに敢えて挑戦してみます。

例題は先週までと同じ曲がわかりやすいので再び登場、チック・コリアの"LITHA"冒頭の部分。

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(クリックで拡大/以下同じ)

フレーズを考えるときにメロディーのリズムを応用する、というのはどこのジャズ学校やジャズ教室でもやるベタな手法。
でも、それってとってもわかりやすいからリズムはそれにしよう。

冒頭二小節間のリズムをリズムスラッシュにすると次のようになる。

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あれ?休符は? なーんて野暮言っちゃいけない。
休符も立派なリズムです。

この2小節のリズムを冒頭の8小節間に当てはめて考えよう。

この曲は奇数小節は全てMaj7コードになってるね。
何か規則性を持って練習したいので、では奇数小節のリズムに奇数小節のコードを使ったメロディーを同じ形でのせてみよう。

チック・コリアは規則性を持つコード進行を選んでいるのでこういうシミュレーションには向いている。ひょっとして彼の血液型はAかな?

ここにピックアップした全てのMaj7コードはリディアン・スケールで出来ている。
だからアヴォイド・ノート(非和声的な省略音)が無いから均等な音程の跳躍を作る事が出来る。
そこでそれぞれ音列を均一なインターバルが築ける完全4度の跳躍で結んでみる。

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それぞれのコードに対して、それぞれの音形が等しいものとなるように演奏するには、自分が最初に演奏したメロディーが、そのコードの何という音程を切っ掛けとして生まれたのかを自覚しなければならない。

この場合、フレーズを二つのラインで作っているので、それぞれのラインの最初の音をコードの音程で記憶する。

すると最初はコードの3rd、次のラインは#11thから始まっている。
始まったら完全4度の跳躍を行うだけだ。

ヴィブラフォンやマリンバ、ピアノやギターを演奏する人は視覚的な要素(鍵盤やフレットが並んでいる→見たまんま)もあるので意思決定がしやすい。対して管楽器の人は視覚的なフォローが無いので頭の中での置き換えとなる点が最初は辛いがこの方法でハーモニーの感覚を養って行けるからチャレンジあるのみ。

これを次のMaj7コードでも行う、そして次のMaj7でも、さらに次のMaj7でも・・・・

もしも、スタートした音から“自然に”完全4度の音を探り出せたなら、あなたは相対音感が備わっています。移動ドへの対応も時間の問題でしょう。

少し迷いながら完全4度を探り出せる人なら、このやり方を繰り返す内に自然と相対音感は身に付きます。移動ドへの対応も同じように慣れでこなせるでしょう。

ちょっぴり指折り考えた人も慌てる必要はないので、コードやコードスケールの勉強を「おさらい」して下さい。直感だけでなく理論があなたの音感を助けてくれます。そうすれば大丈夫。
理論は全て移動ドと相対音感の為に書かれているのです。

さて、ちょっぴりコツがわかって来たかな?

じゃ、今度は偶数小節の大半を占めるm7コードについて何か法則を設定してみよう。

好都合な事にここで登場するm7コードは全てドリアン・スケールで出来ていて、このコードスケールもさっきのMaj7コードのリディアン・スケールと同じでアヴォイド・ノート(非和声的な省略音)が無いから均等な音程の跳躍をストレス無く作る事が出来る。

なんとチック・コリアは規則性に長けているのだろう。こんなところから彼はA型かも、と思ったりするのだけど、ね。

完全4度で均一な跳躍を持ってどういう音形にするか?

さっきは上行の形を設定したから、今度は下行の形を設定することにしよう。
そうじゃないと次の奇数小節の最初の音との結び目にエライ跳躍が出来てしまったりする。

ちょうどb7thから完全4度の跳躍で下行させると音域的にもいい位置に降りられそうだ。

スタートはそれぞれのコードのb7th、途中でリズムが一区切りした後の音に「目安」をつけるとこの音はそれぞれのコードの11thとなる。
マイナーコードで一番綺麗に響く(安定する)11thが目安ならあとは自然に4度音程を探り当てられるでしょう。

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このように奇数小節、偶数小節別に音のリズムと音形に法則を立てた。
それを連続させると、コードからインスパイアされるフレーズの組み立ての一端が見えてくるだろう。

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ポイントとしてそれぞれのフレーズの最初と途中で目安になる音にはコード上の音程を記した。
コードに対して何か音を発する時に、その音がコードに対して何という「音」なのかを常に意識しながら練習するといい。

それが自然に出来るようになると、調号を用いない曲でもサウンドに対して相対的なハーモニー反応を起こす事が出来る。何も考えず耳を澄ましながらバックグラウンドのサウンドに反応するだけでコードサウンドの「中」にいる事が出来るようになる。
ここまで来れば真っ白な状態で曲と接する準備が整った事になるわけだ。

さて、このチック・コリアの曲はもう一つ面白い事を教えてくれる。

先週のハーモニック・アナライズに沿って偶数小節をスタートとする二小節のフレージング。
これをココにも適応してみよう。
すると、面白い事に、上と同じメロディーを1小節ずらして演奏してもコードから逸脱しない。
(1小節目のメロディーを2小節目から始めるんだ。コード進行はそのままで)

これらのコード進行のルートを並べるとディミニッシュ・スケールで並んでいる事と、完全音程でメロディーが成り立っている事が重なって、前後の小節のコードとの相互的な連携が生まれているのです。

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この場合も、それぞれのコードでメロディーをスタートする音が何なのかを頭に入れながら演奏すると相対的な音感や、移動ドの仕組みを応用する、という意味がわかっていただけると思う。
つまり、コード・インプロヴィゼーションをやる時は、コードサウンドに対して自分がどういう位置の音を出しているのかを常に自覚していないと、ね。

質問:もしも最後の小節をm7コードに置き換えるとすると何というコードになるでしょう? メロディーはこのままとします。

答えは本日のブログの文末に!

「あ、そこの二小節目の二拍めから次の小節のブレスまでソロを差し替えます!」という仕事が出来る人は、さっき自分がインプロで何をやったのかをちゃんと覚えているから再演出来るのですね。

中途半端な絶対音感や固定ドは練習の妨げにしかならないので忘れたほうがいい。
どちらにしても相対音感を磨くか、移動ドの人の倍くらいハーモニーやコード理論を勉強しなければならない。
そもそも理論解説で音を表す時に“ド”とか“レのフラット”とか固定ド(実音)で説明を受けるほど非理論的な説明はない。
だってコード理論は全て移動ドをベースに書いてあるんだ。




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チェキラ!

答え: Em7




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