2011/5/20

ジャズでは必須!マレット・ダンプニング奏法・・・・・コード奏法編  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百十四回目の今日は先週からの続きで奏法クリニック、『ジャズでは必須!マレット・ダンプニング奏法・・・・・コード奏法編』です。途中からの人は先週の『マレットは上へ下への大騒ぎ!?・・・イメージする音を連動した奏法で直結する訓練の巻』から読んでくださいね。

→2011年5月13日ブログ『マレットは上へ下への大騒ぎ!?・・・イメージする音を連動した奏法で直結する訓練の巻』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20110513/archive

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!



ジャズの奏法には二通りあって、一つはここでも解説しているコード理論を取り込んだ「即興演奏を行う為のテクニック」が該当する。表現する時に「出す音の根拠」を自分が持つ為の一種のスペック(specification)。コード進行における音と音との組合せに関する奏法で、全てが音感で解決しない時の一種の手助け的奏法の数々でもある。このセオリーは特にビブラフォンやマリンバに限定したものではなく、広く鍵盤楽器、あるいは管弦楽器とも共通する部分が多い。

もう一つは「演奏表現の為のテクニック」で、ビブラフォンやマリンバを演奏する時の「音色の制御」に関する奏法の事。楽器本来の音色に加えて、ジャズで発展した様々な装飾奏法などが当てはまる。これらはヴィブラフォンやマリンバ独自のテクニックが中心。大半がジャズの歴史とともに進化したヴィブラフォンの奏法として述べられるものが多いが、現在ではマリンバの奏法にも影響を与えている項目が多い。

この二つは実に密接な繋がりを持っているので、どちらか一方だけを習得しても威力は半分にも満たない。

ちょうどアントニオ・カルロス・ジョビンのヒット曲“One Note Samba”のモチーフを使った演奏法を解説している途中で、シンプルにハーモニックなソロを演奏する場面に進んだ。
「どの音をどのように使ってインプロの入口を探るか」については先週まで数週に渡って解説したが、これを実際に楽器で演奏する場合、ただ鍵盤をマレットで叩くだけではなく、どうしても習得しておかなければならない装飾奏法がある。マレット・ダンプニングだ。

ビブラフォンでペダルを使って音を伸ばす時に、このテクニックが使えるとよりサウンドがクリアーな表現方法へと繋がる。

まずは今回該当する部分のメロディーとコード。

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(クリックで拡大/以下同じ)

インプロ(即興演奏)の入口はコードスケールのアナライズから・・・
仮定でもいいから自分で一つ一つのコードのコードスケールを割り出す事が先決だ。

コードスケールを割り出したらモチーフを想像しよう。

ここまでが先週の状態。
で、

この状態でペダルを使ってシンプルなモチーフを演奏するアイデアまで辿り着いた。

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まずは各小節の後ろにある音に対してハーモニーを加えた。
この状態では右手(R.H.)でシンプルなモチーフを弾き、左手(L.H.)でコードサウンドを弾くように見える。

しかし、この場合左手と右手の役割が直接的(直感的)で、マレットの使い方としてはバランスを欠いた状態になっている。
そこで、左右のマレットの使い方を再考して次の方法を推奨した。

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これによって左右のマレットの動きは従来の動きとは発想を異にしたアイデアへと向かう事が可能となった。
で、

この段階では、特にペダルのマークを記入する必要もなく、音符通りにペダルを踏んで音を伸ばせばいいわけで、休符とコードの変わり目にペダルを外して消音するのは、ごく自然に身体が反応すると思う。

しかし・・・

次の様な場合は、自然に理解しているつもりでも、楽器の機能上、残念ながらそうすんなりとは行かないのだ。

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今度はコードを各小節の頭に弾くメロディーに付けた。必然的に頭のメロディーに付けたコードはその小節の最後までペダルを使って伸ばす。その間にメロディーは跳躍する。

で・・・・

これをこのまま演奏すると、右手(R.H.)で演奏しているメロディーは、各小節後半に跳躍した音を弾いた瞬間に「和音」になってしまう。
つまり、先の譜例の場合はコードが各小節の後ろ側に付いたのでメロディーが単独で始まり跳躍すると同時にコードも一緒に聴こえるようになっていたので何の問題も無かった。
しかし、今回のケースでは最初からコードが鳴っているので、“メロディーを動かしたつもり”で跳躍した音を弾いても、和音の一部としか聞こえないのだ。二拍め裏の音を弾いた段階で縦に全ての音が並び、左手がコードサウンド、右手がメロディーラインという明確な動きが無くなってしまうのだ。

つまり、メロディー・ラインが「和音」によって埋もれてしまってややボケている。
最初に弾いたメロディーの「F」は次に跳躍したメロディーが現れた瞬間には「消えていてほしい」のだ。
しかしその他のコードの音は「残してほしい」
「消してほしい」のと「残してほしい」のが同居しているわけだ。

これをクリアーに演奏するのがマレット・ダンプニング奏法。

原理は簡単で、使っていない側のマレットで必要無い音を消すのだ。
これまでにも、このブログでシングルなメロディー・ラインの装飾奏法としてマレット・ダンプニングは解説している(キーワード「マレット・ダンプ二ング」でこのブログ内検索参照)が、今回は残す音と消す音による表現奏法として登場です。

マレット・ダンプニングとは・・・
ピアノを弾けば原理はわかると思うのだけど、要するにビブラフォンのペダルはピアノのペダルと同じ機能があるものの、ピアノの鍵盤を押さえた状態の余韻をコントロールする機能がヴィブラフォンには無い。そこでペダルを踏んだまま残した音で必要な音だけを残して後はマレットで消すという方法が生れた。


残したい音と消したい音が同時にある場合に「ペダル」と「マレットによる消音」を組み合わせて演奏するテクニックだ。

この譜例に「特別に」マレット・ダンプニングを記載すると以下の通り。
通常マレット・ダンプニングは奏者自身が何処で使うかを考えながら演奏するものなので記譜する事はない。(マレット・ダンプニングのエチュード等では記譜するが、それぞれに独自のマークを使って解説しているだけで、記譜法に公の取り決めはない)

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この譜例の意味を理解するのには少し時間がかかるかもしれないので、写真解説をおまけします。

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1小節目。ペダルを踏みながらDm7。

ペダルは踏んだままで・・・

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右手のマレットが「A」を弾くと同時に、左手のマレットで「F」を消す。

小節の変わり目でペダルを外して消音。

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2小節目。ペダルを踏みながらDb7。

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ペダルは踏んだままで・・・

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右手のマレットが「Ab」を弾くと同時に、左手のマレットで「F」を消す。

小節の変わり目でペダルを外して消音。

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3小節目。ペダルを踏みながらCm7。

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ペダルは踏んだままで・・・

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右手のマレットで「G」を弾くと同時に、左手のマレットで「F」を消す。

小節の変わり目でペダルを外して消音。

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4小節目。ペダルを踏みながらB7(#11)。

ペダルは踏んだままで・・・

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右手のマレットで「Gb」を弾くと同時に、左手のマレットで「F」を消す。

出来上がり!
いかがかな?

この譜例を見て、ちゃんと弾けた人はセンスがありますよ!

マレット・ダンプニング理解出来ましたか!
必要だから使うテクニックで、こういうテクニックはこれだけを知っていても何の価値もないのです。



ガンバレ東北!
がんばろうニッポン!



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