2006/8/25

ヴィブラフォン独奏のヒントと歴史  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。金曜第二十二回目の今日はステージ構成でのアクセントとなる独奏についてのお話しです。

ヴィブラフォンの独奏は、この楽器独特の余韻とサウンドを100%演出できるのでライブやアルバムでは積極的に演奏するようにしています。
この独奏を行うには高度な演奏技術が必要かと言えば、

答えは
ノー
です。

必要なのは、コードの知識が50%、後はアイデアと歌です。

特にマリンバをやっている人に誤解が多いのですが、独奏の基本的な考え方とは、次のような事です。

・初めて楽器を触る人がする仕草にヒントの全てがあります
・楽に演奏する方法を見つけましょう

例えば、子供が初めて楽器(ヴィブラフォンやマリンバ)の前に立ってマレットを持って叩く時に、どのように叩くでしょうか? 殆どの場合、片手でメロディーを弾いちゃいますね
その姿こそが、人間が道具を持って何かする時の「基本的な仕草」だと思います。
最初からメロディーを左右交互のマレットを使って流暢に弾く人は少ないはず。
ヴィブラフォンの場合、ペダルで音をサスティーンできますから、ポンポンポンポ〜ン、と片手だけで演奏しますね。

レッスンなどで叩き方を教わると、左右のマレットを交互に使うと早いパッセージなども半分の運動量で叩けるようになり、やがてそれが基本動作として身に付きます。これは身体のバランスを取る意味もありますが、それらは全て訓練の賜物なのです。

まず、独奏を行う場合は、極力「楽な」スタンスで楽器を演奏しなければ音楽になりません。そこでコードの勉強が済んだら、左右一つずつのマレットを同時に使ってコードの変わり目に2個の音(コードトーン4つの内の2つを選ぶのがミソ)を出す練習をします。最初はコードの変わり目だけで良いでしょう。それに慣れたらコードとコードの間に右手のマレットで簡単なメロディーを入れてみます。
この動作が独奏の基本です。
つまり、この動作であれば、マレットは2本で良く、4本を持っていても左右1本ずつしか使いません。だから独奏は2本マレット・プレーヤーも出来るんです。

4本マレット・プレーヤーの場合は、左手のもう一つのマレットで残りのコードトーンを選択する練習を行えば、よりコード感を演出できるようになります。

この同時に弾く、というのが、初めて楽器を弾いた時の「仕草」と同じ感覚なわけですね。
簡単、と言ったのは、左右交互に弾くという固定観念を無くすれば「楽になれる」という事なんです。

ムキになって左で伴奏を必死でやり、右でメロディーを必死でやり(つまり左右分離型ね)、、、、な〜んて考えると、そりゃア〜タ、
難しいし、超絶技巧だと勘違いも起こるわけです

物事はシンプルから全てが始まってるんですね。無茶はイケませんよ


さて、ヴィブラフォンの独奏がジャズで認知され始めたのはいつ頃でしょう?
僕の知る限りでは、1966年頃からだと思います。

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『The Time Machine/Gary Burton』(RCA/1966年録音/現在非CD化)

それを認知させたのはゲイリー・バートン氏で、この「タイムマシーン」というアルバムの最終曲“My Funny Valentine”ではベースのスティーヴ・スワロウ氏とのデュオながら、殆ど独奏テイクと呼べる内容です。
このテイクは個人的にもヴィブラフォンの独奏へ強く興味を持った思い出のある演奏なんですねぇ。

また、実際のライブでも独奏を行っています。
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『Stan Getz Quartet In Paris』(仏Verve/1966年録音)

この当時バートン氏が在籍していたスタン・ゲッツ(ts)氏のバンドでは、ステージで必ずバートン氏の独奏を披露していたそうです。先輩ミュージシャンが新人の若手を紹介する時にこういうフィーチャリングをよくやります。
このアルバムでも“Edelweiss”がヴィブラフォンの独奏として収録されていて、聴衆に一番ウケています。
ヴィブラフォンは視覚的にもパフォーマンス性がある実例ですね。


おしまい




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