2011/12/16

続・音楽的読唇術・インプロにおけるコード表記とアッパーストラクチャートライアードの考察  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百四十二回目の今日は先週のコード奏法の続編『続・音楽的読唇術・インプロにおけるコード表記とアッパーストラクチャートライアードの考察』というお話し。

途中からの人は、先週の『音楽的読唇術・インプロにおけるコード表記とアッパーストラクチャートライアードの考察』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111209/archive )と合わせて、2011年10月14日の『ツー・カーはインプロの方向付けと、実は音楽的読唇術の基礎なのだ・・・』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111014/archiveや、今年9月以降の金曜特集を経由してから読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!



グッと寒くなりました。
それと共にバタバタと落ち着かない日々が続いていますね。
毎年の事ですが師走は師も走ると書くくらいですから仕方ありません。

ジャズをやり始めた人が時々周りのベテラン達から言われる事があります。

「もっと音数を減らしなさい」

単純にこのまま「音数を減らす」事として受け止めてしまうと問題ありです。
我々マレットキーボードは管楽器と違って演奏にブレス(息継ぎ)を必要としません。
だから、管楽器奏者の卵達よりも遥かに楽に音をたくさん鳴らす事が出来ます。

上の言葉をそのまま受け止めてしまうと、まるでその「利点」を抑制するが如の警告と勘違いしてしまいます。
実際にそのように勘違いしてしまった人もいます。

もっと自分の楽器の利点を活かしなさい。
音数を減らす前に、自由自在に自分の楽器からたくさんの音が飛び出す状態にしておかなければ「減らす意味がない」のです。

正確に補足すると、

無駄な音の数を減らしなさい」

という事です。

「な〜んだ、無駄な音の事だけかぁ。じゃ遠慮なくバリバリ弾いていいわけね!」

ううん、、、、そこまでポジティヴ過ぎるのもちょっと考えモノかもしれません。
でも、これだけは誤解のないように伝えておきます。

★たくさんの音が楽に弾ける技術をもっと磨きなさい

どんなにカッコいいフレーズを知っていても、どんなに理論感覚が優れていても、それを身体を使って表わす事(つまり演奏するって事です)が出来なければ何の意味もありません。
まして、インプロヴィゼーションという事は、何度も練習した事を発表するのとは違って、常に白紙に近い状態から音楽に反応するところまで自分をリセットするのを心がける必要があります。
その為の反射神経のようなものを養う練習がインプロヴィゼーションの練習です。
その場の経験が自分の知識に加わって積み重なって行くものなのです。

だからコードの中でどうやって動けばよいのかが分からない人の一つのヒントとして「フレーズ」や「リック」があるわけで、自転車で言えばそれらは「補助輪」でしかありませんから、いつまでもそれに頼っていたのでは経験する時間に比してあまりにも蓄積するものが無いなんて事になってしまうかもしれませんね。

「無駄な音」というのはそういう音の事を言うのです。
入口はどうであれ、マレットキーボードにはマレットキーボードとしての「到達点」があってしかり、管楽器には管楽器としての「到達点」があってしかり、それらは同じではありません。

不思議な事に日本では演奏技術、つまりテクニックを持つ事を何か悪い物でも蓄えるような風に捉える発言を見る場合がありますがそれらはあくまでも“聴き手”的なスタンス、正確に自分の思い通りに楽器を弾けるテクニックがなければ何も始まりません。演奏技術を磨け、と言うのはそういう楽器に触れ始めた時に身に着けるべくテクニックにはジャンルによる差異は無い、という事です。

だからどんどんたくさんの音を弾く練習をしてください。

たくさんの音の中にその楽器としての「到達点」を見出しているのであれば、それをどんどん押し進めて行けばいいのです。他の楽器と違って当たり前なのですからね。
それを失って「他の楽器でも代役が出来る」ような演奏をしていたら、その楽器に未来はありません。
しかし、かと言って、他と交われないほどに自分の楽器を擁護してはいけません。
そのさじ加減、それがとっても最初は難しいのです。

さて、コードスケールなどのインプロヴィゼーションを行う為のベーシックグラマーが少しずつ自分の身体の中に入っている自覚に芽生えた段階の話しになります。

そもそも「フレーズ」や「リック」を使っての演奏は、コードの流れの中の「何」をキャッチしようとしていたのでしょう?
一つには「安定したハーモニー感」をメロディーに得るという事があるでしょう。

■メロディーにハーモニー感覚を取り込もう!

ビブラフォンのレッスンを見ていると、一見演奏としては「形」は出来上がっているように聞こえる場合があります。
それがたまたま昨晩練習したところを出題されたのか、もともと出来上がっていたのかを、普通の人が一聴して聞き分けるのは無理です。
ただ、「形」として出来上がっているのは入口としてはOKですが、それを人前で披露して、ましてや生業とするには「ちょっと待った!」が出ます。

「形」というものはいくつかの「ひな形」としてその人の中に入っているものです。

一つには「フレーズ」や「リック」などのいわゆる節回し。このコード進行が来たらコレ!みたいな(笑)。
もう一つは「リズム」。メロディーとして音が定かではないのにリズムだけが最初から決まり切っている状態。これには決まり切ったアーティキュレーションやアクセントというものも含まれます。

これらは先にも述べた通り「補助輪」ですから自分がマスターした段階で取り外さなければかえって邪魔になるものなのです。

その辺りの事も含めて今日は発想の転換をしてみましょう。
今日はそれをハーモニー感を伴って「今までとは違った場所」に向かいます。

音楽を聴いて楽しむ人達が期待するのは「知らなかったところ」へと演奏者が連れて行ってくれる時なんです。

サンプルとしてこのところ連続して取り上げているアントニオ・カルロス・ジョビンの“One Note Samba”を挙げましょう。

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(クリック、開いた画像をさらにクリックで拡大/以下同じ)

冒頭の四小節。

先週のアッパー・ストラクチャー・トライアードによる発想転換を実践してみましょう。
ここでは二小節目と四小節目のリディアン・フラットセブン・スケールを対象とします。

まずは基本の基、この四小節のコードスケールのアナライズです。

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(これが間違っていた人はもう一度コードスケールのお話しまで遡って再確認してください。左の検索にコードスケールと入れて、「このブログ内を検索」にチェックしてサーチすると便利です。どの時点から間違いや誤解が生じているのかを知るのが最高の上達法です)

ここではふたつのリディアン・フラット・セブンスコードを二つのトライアードに分解して表現します。

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この時に先週も伝えた通り、本来であれば分母のコードにそのコードの機能が表示されるとより視覚的にわかりやすいのですが、現在の段階ではそれは普及していません。

Eb/Db ⇒ Eb/Db7 及び Db/Cb ⇒ Db/Cb7

そこでリディアンスケールとの区別をする為に、アッパーストラクチャートライアードの分子のコードに分母のフラットセブン(b7th)の音を加えた4音を基幹としたメロディーを作ってみる事にします。

この分母のフラットセブンを分子に加える事によって、よりドミナントコードとしての響きが確定され、元のリディアン・フラット・セブンスケールをアピールする事になります。

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完全五度を軸に持つトライアードは実に安定した響きを持つので一見テンションだけで不安定に見えるこのような形(9th+#11th+13th)でも綺麗に響きます。また、このトライアードを含んだメロディーラインはとてもシンプルなのです。

これまでテンションを使おうと思ってどうやっても、Dbのトライアードの響きから逃れられなかった人も、このようにアッパーストラクチャートライアードの分子のコードサウンド+トライトーン(b7th)によってまったく違う展開への入口が聞こえて来たのではないでしょうか。
無駄に音楽を“アウト”する事なく聴き手を「知らないところ」へ連れて行ける手法の一つになるでしょう。

全ての曲のリディアン・フラットセブン・スケールのところでチャレンジしてみましょう。




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