2011/12/29

2011年の最後にThe Fourth Way・・・・  木曜:Jazz & Classic Library


今年もライブラリーから様々なアルバムを紹介してきました。
自分のアルバムを紹介するのは苦手でも、人のアルバムの紹介をするのは実に楽しいもんです。

音楽ってホントに様々。
「共感」さえ持てるなら自分の感覚と重ね合わせて自由に楽しめるわけですから娯楽としては最高です。
もちろんジャズがベーシックですが、クラシック、ロック、エスニックなど、自分がこれまでに耳にして「共感」を覚えた音楽なら、言葉に変換して伝える事が出来ます。

年間約60枚程度を紹介していますが、2011年の締めくくりに相応しいアルバムは何だろう、、、と。

そこで引っ張り出したのがコレ!


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『THE FOURTH WAY / The Fourth Way』(capiral/1968年)

邦題が「ジャズの新しき方向」。
なんかサブタイトルみたいなタイトルですが・・・(笑)
ザ・フォース・ウェイなんて知らない人のほうが多いでしょうね、たぶん。

メンバーはマイク・ノック(p,el-p)マイケル・ホワイト(ヴァイオリン)ロン・マックルーア(b,el-b)エディ・マーシャル(ds)の四人。
1968年に結成されて、僕が知る限りでは1970年までの間に三枚のアルバムをリリースしているウエストコーストのバンド。

このアルバムがデビュー作で、初めて聴いた僕は中学生になったばかりの生意気なジャズ餓鬼だった。
子供の耳にも「ザ・フォース・ウェイ」は聴きやすく、マイルス・デイビスやチャーリー・ミンガス等に比べたらポップスのように簡単に聴こえた。
ただ、このバンドのファンになって聴き進む内に、だんだん表現が複雑化して行ったのも記憶にある。

二作目のライブ盤『THE SUN AND MOON HAVE COME TOGETHER』(capital/1969年)は録音がロック・スタイルでベースやドラムの低音がカッコよく、また曲もより進化していたので当時のマイルス・バンドを聴くような「コシ」があった。でも、どこかにビートルズのような空気感が漂っている時代を色濃く反映したアルバムだった。

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『THE SUN AND MOON HAVE COME TOGETHER』(capital/1969年)

三作目は1970年のスイス・モントルー・ジャズフェスティバルのライブ盤『WERWOLF』(capital/1970年)になるとチック・コリアと親交が深かったマイク・ノックはエレクトリック・ピアノにリングモジュレーターを繋いで新しい表現方法を試みていたりする。マイルス・デイビスの「アット・フィルモア」などでチック・コリアが用いていたシステムと同じだ。音楽もより刺激的な方向を示し、ますます時代の写し鏡のようなサウンドに溢れたのだけど、二作目ではメンバー全員の曲が演奏されていたのに対して三作目ではマイク・ノックの曲オンリーとなっている点で若干行き詰まり感はあった。

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『WERWOLF』(capital/1970年)

その後アルバムがリリースされたという情報は入らず、その内に僕はゲイリー・バートンやチック・コリア、キース・ジャレットなどを中心に聴くようになったので気が付いたらいつの間にか「ザ・フォース・ウェイ」は解散していた。

さて、そんな短い期間の印象しかない「ザ・フォース・ウェイ」なんだけど、このバンドのサウンドとして今でも残っているのがマイク・ノックの作りだす曲やサウンドのセンス。
この頃フェンダーローズ・エレクトリック・ピアノが全盛期で、そのサウンドにもマイク・ノックが持つサウンド・エッセンスがピッタリだった。
後にリチャード・ティーなどがローズ・ピアノの代名詞になるが、僕は断然マイク・ノックなんだ。

で、なぜ、今「ザ・フォース・ウェイ」なのか?

今年出会ったミュージシャンの中で特に印象的だったのがピアニストのハクエイ・キムくん。
ハクエイくんのピアノにはちょうどよい隙間があって、それが他の若いピアニストとは全然違うので一緒に演奏していると実に面白い。その、隙間の心地よさ(それは演奏だけではなく曲作りも含めて)、僕は何処かで知っているなぁ。。と思っていたら、ナント、彼はオーストラリアでマイク・ノック氏に師事していたのだった。

誰かに師事する場合二通りのスタイルが生れる。
一つは師事した師匠とそっくりになって行く事。
もう一つは元々師匠と似たようなセンスを持っていた場合なんだけど、独自の理念に基づいた発展を遂げている事。
この二つには大きな違いがあって、前者の場合は師匠がやった事の中で音楽を綴ろうとする。対する後者はどんな事をやってねその人らしさが存在する。

ハクエイくんの場合は明らかに後者だった。

そのマイク・ノックの音楽はECMレーベルでも知られているが、僕はこの「ザ・フォース・ウェイ」にこそ、その全てが結集しているように思う。

1曲目“Evertman's Your Brother”は典型的なジャズ・ロック・スタイル。マイケル・ホワイトのノン・ビブラートによるヴァイオリン、僕は嫌いじゃない。チャールス・ロイドのところで活躍したベースのロン・マックルーアはこの曲ではエレキベースだ。まるでフィドルのような“ズータカ弾き”のヴァイオリンがフェンダーローズピアノと実にマッチしている。

2曲目“Clouds”は全員アコースチックに持ち替えてリリカルなスローワルツ。しかしそれが甘さで流されないところにこのバンドの編成の妙とマイク・ノックのセンスを感じる。当時僕はアルバム中で一番この曲が好きだった。ピアノ〜ヴァイオリン〜ベースとどれも秀逸なソロがリレーされる。

3曲目“Sparky”はシリアスなファスト・スイング。この時代を生き抜いた若手ジャズメン共通のモーダルなフィーリングに溢れたソロが聴きもの。

4曲目“Hucklehuggin”は再びジャズロック・スタイルで全員エレクトリック。ジャズロックと形容するがこの種のタイプには二通りあって、一つはダンスビートに準じたもの。もう一つはダンスビートではなくロックリズムを取り入れているもの。当時ゲイリー・バートンのクァルテットなどがその代表だが、ザ・フォース・ウェイは明らかに後者のバンドである事が聴き取れる。

5曲目“Openings”は三曲目同様のシリアスなジャズタイム。

6曲目“Gemini Trajectory”はジャズロック的なフィールに溢れているが七拍子だ。こういうところにもダンスビートとしてロックを考えないバンドのポリシーが現れている。

7曲目“Dance of the Mechanical Men”はヴァイオリンのマイケル・ホワイトの作品。これがまたアヴァンギャルドな雰囲気に溢れていて、他のトラックとは全然異なる世界観。どちらかと言えばオーネット・コールマン的な曲だ。全員によるコレクティヴ・インプロヴィゼーションがスリリング。ただし、無茶苦茶ではなく、とても割り切れて聴きやすいところにこのバンドの魅力がある。

8曲目“The Sybil”がアルバムの締めくくり。前曲のオーネット・コールマン的世界からいきなりジャズロック。但しこれもシリアス表現によるものだ。

こうやって聴き通すと、一見ジャズロックのブームに便乗して飛び出して来たかのように思われがちなザ・フォースウェイの音楽は、確実に来るべく1970年代の音楽を予兆させていた事に驚かされる。やはりマイク・ノックというミュージシャンのセンスがこのグループに大きく寄与していたと感じてならない。

そして、僕はこのザ・フォース・ウェイを聴いていたおかげで、この数年後に来るべくして来たチック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエバー」の“かもめのチック”を初めて聴いた時、「聴き慣れた音楽」として冷静に受け止めて人生の後押しとする事が出来た。

今年、ハクエイくんと出会って、その事が僕の頭の中から離れなかったんだ。
そう、やっぱりこれだった。
マイク・ノックのセンスと同質のセンスの良さが彼からも聞こえてくるのだ。

今年の締めくくりにちょうど良い。
それに、邦題の「ジャズの新しき方向」って、何となく来年を暗示しているようで、ピッタリじゃないか。





ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




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