2012/4/12

ジャズを冠するのに疲れた人達・・・・  木曜:Jazz & Classic Library


日本のカルチャーがアメリカの数年後を追っているのは今も昔も変りが無い。
日本の中から外を見ていると「そんな事はない」と錯覚してしまうのだけど、外から両者を見ている人にはそれがわかるはずだ。

現在日本の津々浦々まで浸透した郊外型のショッピングモールを見ても、それはアメリカのコピーであるのがわかる。ただしその間には数十年という時間差があり、しかもそれはどう考えても本来は成立しないはずのものだ。なぜなら、産油国でもない日本がこのまま延々と車社会を演じられているはずがないのだから。
2012年という時点で国内の車が全面的に電気自動車化でもされているなら、それはアメリカの後追いから脱皮している事になるのだけどね。

僕らが子供の頃から、日本には多数の海外ドラマが入っていた。
その大半はアメリカのテレビドラマだ。

僕は日本がどのくらいアメリカの後を追いかけているのかを知るのに、その海外ドラマが本国(アメリカ)とどのくらいの時差を持って放映されているのかを見ればいいと思う。

近年は早ければ半年くらいにまで縮まっているが、平均すると2年くらいだろうか。
これが10年前だと3年くらい、20年前だと4年くらい、30年前だと5年くらい、、、と広がって行くから面白い。

1980年代のバブル以前、東京でもテレビは終日放送ではなかった。唯一週末の土曜日だけは終夜放送だったが、平日は遅くて午前3時までにはどの局も放送を終了していた。

そんな時期からミュージシャンの生活をしている人なら「そうそう、そうそう!」と思わず合槌を打たれそうなのが、その平日深夜に流れていたアメリカのテレビドラマ。

ライブから帰って楽器も片づけたし、さて、風呂でも入って・・・そうそう、とスイッチオンするとテレビでは「読売新聞ニュース」か何かが終わるところでそのまま別にみる気力があるわけでもないのに始まるのが海外テレビドラマシリーズ。

一番記憶にあるのが日テレでやっていた“白バイ野郎ジョン&パンチ”。
原題はCHiPs。
別にとりとめもない話しがダラダラと続くだけの番組なんだけど、基本的に一話完結なので見入ってしまっても50分ちょっと。それから風呂に入ろうが、深夜に出掛けようが、作曲でもしようが、ちょいと息抜きには重くもなく軽くもなく、本当にボーっと見ていられる番組だった。

その時、画面や音楽からも「これはひと昔前」の感触を感じていたが、調べてみたらやはり1977年から83年までアメリカで放映されたドラマで、僕らはその時点でさっきの図式で言うところのぴったり“5年前”のアメリカの空気に触れていたわけだ。

アメリカと日本のカルチャー的時差とはそんなもんだ。

で、今もそう思うのだけど、1980年代全般のカルチャー起源は1977年という年ではないかと信じたくなるほど、1977年に生れた物とは縁が深い。
別に特別意識しているわけではないのだけど、、、。


クリックすると元のサイズで表示します
『FREE AS THE WIND/The Crusaders』(mca/1977年)

1.Free As The Wind
2.I Felt The Love
3.The Way We Was
4.Nite Crawler
5.Feel It
6.Sweet N' Sour
7.River Rat
8.It Happens Everyday

クルセイダーズというバンドの名前を知っている人もそろそろ少なくなって来たかもしれない。
1960年代初期に「JAZZ CRUSADERS」と名乗ってジャズ界にデビュー。
フロントがトロンボーンとテナーサックスという意外と珍しい組み合わせだったので一度聴いたら印象に残るバンドだったけど決定打は無かった。
1971年にバンドの冠から「ジャズを外す」という宣言がスイングジャーナルの西海岸レポートに載っていたのを目にした記憶があるのだけど、60年代末期の「ジャズ・クルセイダース」の作品の論評は散々なもので、小学生の僕でも手を出すのをためらったほどジャズ&ロック、ポップス寄りの路線だったらしいが、今となってみればちょっと聞いてみたい気もする。

そんな状態で「ジャズ」をバンド名に冠するのに疲れたのか、「クルセイダース」となってからは僕らが知らない内に西海岸のポップスシーンでは注目される存在となっていた。

1970年代はジャズも含めて様々な音楽が異種格闘技のようにボーダレスに融合と分裂を繰り返していた音楽的には素晴らしい時代だった。
そんな中でいつまでも「ジャズを冠にしてられないよ」と身軽になったクルセイダースに初めて触れられたのが、実は彼等のアルバムではなく、シンガー・ソングライターで売り出し中だったマイケル・フランクスのアルバム『SLEEPING GYPSY』(wb/1977年)だった。

当時学生でビブラフォンを運ぶ必要から免許を取って車に乗り始めた頃、そのマイケル・フランクスの「スリーピング・ジプシー」は僕の車の定番だった。
後にAORと呼ばれる、軽くジャジー、軽くロック、軽くボサノヴァ、がミックスして正に僕の世代の好み(但し実年齢よりもかなりジャズに早熟だったので一回り上の世代的耳年寄り)にピッタリ。
都会でも海沿いでもどこでもオールマイティーに時間を包んでくれるアルバムだった。

そこで毎回聞いていると「あれ? このサックス、マイケル・ブレッカー? 昔ランディー・ブレッカーの『スコア』で聴いた頃に比べると上手になってるなぁ」とか、「このアルトサックス、最近よく聞く音だなぁ。デイビッド・サンボーンかぁ」、とそのアルバムにクレジットされたミュージシャンに目が行くようになった。

それはリズムセクションにも同様。
おや? ジョー・サンプル? ウィルトン・フェルダー? どっかで見た名前だなぁ。。。

このマイケル・フランクスのアルバムはジャズミュージシャンにも大受けで、この時期からこの世界に入っている人の家には「必ず1枚あるアルバム」のリストに入っていた。

そのリズムセクションの核となる三人、ジョー・サンプル(el-p,p)、ラリー・カールトン(g)、ウィルトン・フェルダー(b/実はクルセイダースではts)、があの「冠を外した」クルセイダースの面々であった事が判明するのにそんなに時間はかからなかった。

そこで当時発売中だった彼等の1974年のクラブ“The Roxy”でのライブ盤『SCRATCH』(mca)を買ってお気に入りの仲間入り。

クリックすると元のサイズで表示します
LP、CD共に所有の『SCRATCH』とマイケル・フランクスの『SLEEPING GYPSY』

さて、本アルバム、『FREE AS THE WIND』は邦題が“旋風に舞う”といういささかイカさないもの。
ただし、その後のクルセイダースを想えば、本当に旋風に舞ってどこかへ飛ばされてしまった感じがしないでもない。

ロキシーのライブ以来久しぶりに手にしたクルセイダースは何かが違っていた。
まず何と言ってもリーダーのトロンボーン、ウェイン・ヘンダーソンがいないのだ。
リーダー不在のバンドとなったクルセイダースの困惑。
新リーダーに抜擢されたジョー・サンプルの気負い。

そんなものが聴こえて来て、実はこのアルバムを最後にクルセイダースは卒業していた。

曲はいづれも「可もなく不可もなく」と昔聴いた時には思っていたが、改めて聞いてみると時代的なサウンドの価値観が増しているように感じる。

変な言い方だが、嫌いではない。

標準的なフュージョンと言えばそれまでだけど、マイケル・フランクスのアルバムとも共通するラフで粗いレコーディング・セッション的なところが彼等の魅力なんだと再確認。
キチキチにアレンジして音を埋めているフュージョンにはない「息抜き」が今聴くと時代の空気を感じさせてくれていい。

“Free As The Wind”はエフェクトを使ってフロントからトロンボーンが抜けた空間を埋めてクルセイダースらしさを出そうとしているところにバンド続行の意思を感じる。

“I Felt The Love”は典型的なワンコード「ウッチン、タッチン」リズムのジャズファンク。この緩さが実はクルセイダースらしさ。余裕がなければ出来ない技だ。ブリッヂのアンサンブルにクルセイダースらしさが凝縮している。

“The Way We Was”はベースのポップウェルによる軽快なフュージョン・ナンバー。ジャンプするビートが実にいい。これが他のバンドだと妙にリズミック・アーティキュレーションがゴテゴテと強調されるのだけど、さすがスタジオワークの達人達とあって、波一つ立たない湖面のようなスムースさ。ジャンプビートとスイングが交錯する仕掛けもおもしろい。
まさに順風満帆な新生クルセイダースの船出だ。

“Nite Crawler”はラリー・カールトンのナンバー。これも典型的なフュージョン・ナンバー。そして“Feel It”は全員共作となるスタイリッシュなセッションが続く。

おそらく“Sweet N' Sour”を聞けば、「ああ、コレ、どっかで聴いた事があるなぁ」となるナンバー。
よく夜中に山の風景や鉄道や車の走行シーンを流している時のBGMというか、それなりにインパクトがありつつ、それ以上前に出しゃばらないタイプの音楽。業界が好みそうなものが満載。
先に挙げた1970年代後半のアメリカのテレビドラマの肌触りがする。

お口直しにピッタリな“River Rat”で思いっきりファンキーに。
そして、最後はこの後のクルセイダースを予見するようにジョー・サンプルの感傷的なピアノが響く“It Happens Everyday”。メロウな空気に満ちた1980年代への架け橋のようなバラード。
そう、ジョー・サンプルと言えば『Rainbow Seeker (邦題:虹の楽園)』と言われる時代へと続くのだ。

21世紀になって久しぶりに聞いてみたら、なぜか冒頭のように1970年代から80年代のアメリカのテレビドラマを思い出してしまった。
それだけクルセイダースが時代を吸収していたのか、それともそれだけクルセイダースが時代の潮流となっていたのか、今となってはそのどちらでも良くなってしまうほど時間が経ってしまった。

1970年代は音楽も文化も希望に満ちた時代だった、と思って間違いない。
そしてきっと1977年という年は次の時代へのターニングポイントだったと思っても間違いないだろう。
この閉塞感に満ちた今の日本の突破口がそこにあるかもしれないゾ!



赤松敏弘meetsハクエイ・キムBand

今度は足利! 足利 meeting!!
ドラマー小山太郎プレゼンツでゴールデンウイークに登場!!

クリックすると元のサイズで表示します
赤松敏弘(vib)
ハクエイ・キム(p)
生沼邦夫(b)
小山太郎(ds)
ゲスト:小林啓一(vib)

只今絶賛発売中。
ゴールデンウイークのお出掛プランに是非どうぞ!



『2011年ベスト・ライブ(動画)』公開中!


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

・当日のセットリストは以下の通り

[1st set]

1.Trisoniqe......(by Hakuei Kim)
2..White Forest......(by Hakuei Kim)
3.Sound of Focus.....(by Toshihiro Akamatsu)
4.[duet] Newtown......(by Hakuei Kim)
5.Ruby, My Dear.....(arr Toshihiro Akamatsu)
6.Axis.....(by Toshihiro Akamatsu)

[2nd set]

1.The Gleaner.......(by Toshihiro.Akamatsu)
2.[Tribute to 1964's Miles]......So What
3.[Tribute to 1964's Miles]......Stella by Starlight

4.[Tribute to 1964's Miles]......Walkin'
5.[duet] Silent Butler.....(by Toshihiro Akamatsu)
6.Kuala Lumpur......(by Hakuei Kim)

[Encore]

1.Dear Old Stockholm
2.O Grande Amor

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

・セットリストの赤文字の演奏をアップしています。
・動画は従来通りMySpace版と、プラグインの関係でMySpaceビデオがご覧になれなかった人向けにYouTube版もアップしています。
・MySpace版YouTUbe版とも、どちらも同じ内容です。

[YouTube版]

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




[MySpace版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部1曲目



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]






ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
クリックすると元のサイズで表示します
VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

New Album『AXIS』は全国の有名CD店のほか、ネットショップでも好評発売中!
■Tower Record
■HMV
■amazon.co.jp
■disk UNION
■山野楽器
■新星堂
■ベガ・ミュージック・エンタテインメント
■Yahoo!ショッピング
■楽天市場
■ヤマダ電機WEB.COM
■セブンイレブンネットショップ



どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

クリックすると元のサイズで表示します→CDショートレビュー


【動画】と【試聴】世界のヴィブラフォン奏者と素晴らしい音楽仲間へ直結!
■赤松敏弘MySpace

そして、コチラはオフィシャルサイト
■赤松敏弘Vibraphone Connection

掲示板に替わって登場、オフィシャルな(?)つぶやきTwitter
■赤松敏弘 Vibstation's Twitter

新しく追加のコミュニティー
■赤松敏弘facebook

auの方はコチラの赤松音源で
≪■着JAZZ!■取り放題≫
 カテゴリ(メニューリスト)>着うた>クラシック・ジャズ
 クリックすると元のサイズで表示します

SoftBankの方はコチラの赤松音源で
≪着JAZZ!≫
 メニューリスト>着うた・ビデオ・メロディ>着うた>Jazz・クラシック・ワールド
 クリックすると元のサイズで表示します 
≪着JAZZ!フル≫ メニューリスト>着うたフル>洋楽・Rock・Club
 クリックすると元のサイズで表示します

チェキラ!
★ビブラフォン ★ビブラホン ★ヴィブラフォン ★Vibraphone ★ヴィブラホン ★ヴァイブラフォン ★ヴァイブ ★バイブ

タグ: Jazz ジャズ CD




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ