2012/4/26

温故知新を地で行く四人組・・・・The Fourth Way  木曜:Jazz & Classic Library


このところ僕が小学生や中学生頃に夢中になっていたアルバムが次々にCD化されて出ている。
しかも廉価。
当時LPで1750円から2000円が相場だった事を考えると999円なんて物価を考慮すれば半値どころか四分の一以下だ。

LPで散々聞いてアルバムジャケットに穴が空きそうになるほど眺めて、レコードの溝は擦り切れんばかり。
じゃ、もういいだろうって?

それが意外にも今改めて聴いても新譜に優るとも劣らないビビッドな音楽達なんだ。
自分で自画自賛しても仕方ないのだけど、よくぞ小学校5年生でこれらの音を発見した!! と誉めてやりたいぐらい今日の中でもそれらの音楽が持つエナジーは消えていなかった。

だから復刻したこれらのアルバムが目に入るとついつい手が出てしまう。
LPは全て実家に置いてあるし、我が家にはターンテーブルがない。
ならばLPと両方持っておきたいものはダブっても買うわけだ。

もちろん当時はこづかいだけでは足りないから肩たたきから始まってありとあらゆる奉公稼ぎ(笑)でなんとか毎月2枚とスイングジャーナルを確保。それでも、何枚もの苦渋の選択で買い逃しもある。
それらも最近どんどんCD化されて出て来るものだから、すっかり目の前のヘヴィロテロットには1960年代後半から1970年代のものがズラリ。

もう一つLPとダブっても買う理由がある。
ジャケットだ。

当時は小学生だしまだまだ知識が少なかったから国内盤を買っていたのだけど、景気のいいアーチストのアルバムだと見開き仕様で情報たくさん、売り出し中やそこそこのアーチストのアルバムとなると表の写真はそのままでも、裏面は全面ライナーノーツだったりして原盤とは随分異なっていたりしたものだ。

それが廉価な復刻CDを買うと意外や意外、原盤のままの縮小版となっているものが多く、当時数少ないインナー写真を食い入るように見ていた身には、新鮮な写真に出会えてとっても盛り上がるのだ。

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小学生から中学生にかけて夢中で聴いたアルバム達のCD版

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ジェレミー・スタイグ氏のアルバムだとこの線画やイラスト(彼の作品)は無かった(裏面全面ライナーノーツ)

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ザ・フォース・ウェイの初アルバムにはこんな写真は無かった(裏面全面ライナーノーツ)

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ゲイリー・バートン氏のこのアルバムではこの二枚の写真が省かれていた

買う価値というのは、いろんなところにあるものです。

さて、

そんな復刻盤の中にピアニスト、マイク・ノックが率いた“THE FOURTH WAY”のアルバムが二枚入っていた。

偶然にも昨年の木曜特集の最終日にこの“ザ・フォース・ウェイ”のファーストアルバムを改めて取り上げたのだけど、まったく偶然ながら同年12月21日にファースト・アルバムとサード・アルバムが復刻していたのだった。

『2011年の最後にThe Fourth Way・・・・  木曜:Jazz & Classic Library』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111229/archive

僕は雑誌を殆ど見ないので今何が復刻しているかなんてサッパリわかっていないのだ。
それが証拠にその時に提示したザ・フォース・ウェイのアルバム写真は全て実家のLPのもので、復刻盤とは右上のカタログナンバー表示が異なるので一目瞭然。(CD版では左上表示)

前にも書いたけど、事前知識無しにCDショップに出向くほど感激が高まる事はない。
全てが「発見」になるのだもの。
ささやかなナルシズム(笑)。
でも、これだけは一生続けたい。

で、このマイク・ノック率いるザ・フォース・ウェイは(たぶん)三枚のアルバムを残して解散したと記憶する。
個人的にはセカンド・アルバム(『The Sun and Moon have Come Together』ライブ録音)の出来が飛び抜けており、おそらく次に復刻してくると予想しているのだけど、そのアルバムの最初の曲がYoutubeにあったので参考までに。
このバンドの凄さがわかると思う。



で、昨年暮れはファースト・アルバムだったので、今回はこのバンドのラスト・アルバム。


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『WERWOLF/The Fourth Way』(capital/1970年)

1.Brown Rice
2.Colours
3.Werwolf
4.Tierra del Fuego
5.Mesoteric Circle
6.Spacefunk

Mike Nock(ep)
Ron McClure(b)
Eddie Marshall(ds)
Michael White(vn)

recorded live at the 1970 Montreux Jazz Festival

このアルバム、LP盤は赤い透明な盤で他にはあまり見掛けなかったので特に印象に残っている。
ソノシートという昔の雑誌などに付録で添付されていたペラペラの赤いドーナツ盤の親玉みたいなやつだ。
LPだからかペラペラではなく普通の塩化ビニル盤と同じように固い。
買ったのは中学生になった頃だった。

マイク・ノックがフェンダーローズのエレクトリックピアノで使うリングモジュレーターは、当時マイルス・デイビスのバンドでチック・コリアが使っていたものと同じで、どうやら当時この二人は情報交換などして親交があったようだ。
まだ、シンセサイザーというものが世の中に出回っていない頃だったので、若きキーボーディスト達は来るべき時代の音を模索している最中。

そこが最大の聴きどころだ。

とびきり上出来だったセカンド・アルバムから半年くらいして発売されたこの「WEREWOLF」(邦題:狼男)はイントロからリングモジュレーターのノイズがワウワウ・ペダルを経て聴こえてきて、随分やる気満々に刺激的である事を示す。

“Brown Rice”はケン・ジェンキンスの作品でジャズ&ロックを地で行くようなビートで始まるが、マイク・ノックはハーモニー感覚に長けたピアニストなので、ただの一発屋とは明らかに違うサウンド志向。サウンドが徐々に重厚となって、それをリングモジュレーターでさらに異次元へと発展させる。
それを受けるバイオリンのマイケル・ホワイトもズータカ弾きにも関わらず、そのハーモニーの淵にしっかりと存在感を示す。
こうしてザ・フォース・ウェイの世界が始まる。

そうそう、なぜこのザ・フォース・ウェイに小学生がハマったかと言えば、マイク・ノックの弾くピアノのサウンド(それが徐々にヘェンダー・ローズのエレクトリック・ピアノと一体化して行くのだけど)と、このズータカ弾きのマイケル・ホワイトのバイオリンにあった。

元来、ビブラートがあまり好きじゃない性分から、すでにこの時期にはゲイリー・バートンを好んで聴いていたのだけど、その頃集めていたゲイリー・バートンのアルバムに『テネシー・ファイヤーバード』(rca)というのがあり、その冒頭と半ばでフィドルを使ったバラードやブルーグラスの演奏がありお気に入り、フィドルにちょうど興味を持ったところでこのザ・フォース・ウェイが登場したわけだ。
マイケル・ホワイトのバイオリンはノン・ビブラートなのでほとんどフィドルと化していたので、なんの抵抗もなくザ・フォース・ウェイは僕の耳の中に入って来た。

古臭いズータカ弾きと最新のエフェクターの結合がこんなに面白くなるなんて、それがこのバンドの魅力だった。

それにしても、ビブラフォンもノン・ビブラート、ヴァイオリンもノン・ビブラート。
歌はボサノヴァばかり聴くし、結局僕はこの頃から基本がノン・ビブラートだったようだ。

ここからは全てマイク・ノックのオリジナル。

“Colours”は前作までのニアンスで言うと、マイケル・ホワイトの曲のようにも聞こえるのだけど純然たるマイク・ノックの作品。
ちょっと軽くオーネット・コールマン付近を漂うアグレッシブなフリーと言ったらいいか。
テーマ以外は集団的即興演奏にアヴァンギャルド・フォームだ。
「ただの一発屋」とは違う世界がここにあるのだけど、当時の聴衆にはフラワームーブメントの残像と写ったかもしれない。

ついに表題の狼男“Werwolf”に到達。
ちょっぴりゲイリー・バートンの“Walter-L”に似たジャズ・ロック・ブルースにバンプが付く。
このバンプの部分がエンディングでノックのリングモジュレーターによって“狼男”に変身するのでお楽しみに。
こういうちょっとした演出が音楽を楽しいものに変える。

実は僕はこのアルバムでB面1曲目だったこの曲“Tierra del Fuego”が一番好きだった。何十年も経ってこのアルバムのジャケットを見る度にこの曲が頭の中を流れた。
5/4拍子(10/8拍子かもしれない)のパルスがどこか切なくて中学生の胸と耳に痛く突き刺さった。

|Db/F(Fm7) 〜 Db7(#11) 〜 B7 〜 C7 |

という単純なコードの繰り返しなのに、不安定な5拍子のパルスで響くこれらのサウンドが思春期の僕にはとても感傷的に聴こえたのを覚えている。

フリーっぽいイントロからリズムインして“Mesoteric Circle”が始まる。マイク・ノックの曲らしく、ハーモニーとメロディーラインの対比が綺麗でスリリング。
たぶん当時のジャズとその周辺で起きていた事が全てこのザ・フォース・ウェイの演奏に凝縮されていると言っていい。
その辺りはチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエヴァーとそっくりな肌触り。
ある意味でマイク・ノックは時代を先取りしていたと言える。

あと数年、ECMサウンドが広く世の中で認知されるまで継続していたら、このバンドはもっと別な展開が待ち構えていたような気がしてならない。

ロン・マックリューアのベース・ソロからテーマに戻りそのまま次の“Spacefunk”へ。

この辺りは、軽く当時のマイルス・デイビス・バンドを漂わせる。
こうして1970年代から80年代へのメッセージのように非常にコンパクトに進化の方式を詰め込んだザ・フォース・ウェイの音楽は幕を閉じる。

当時のジャズシーンの中では破格にクリエーティヴなサウンドが飛び出してくるのも、やはりマイク・ノックのハーモニック・センスが大きく作用していると思う。

そのままでは決して光を放たなかったかもしれないマイケル・ホワイトのズータカ弾きのヴァイオリンをここまで効果的に生かしているのも彼の采配無しには語れないだろう。
今、もしもタイムマシーンで過去のライブを見に行けるとしたらベストテン入り間違いなしのライブ・クォリティー。
正に温故知新を地で行くバンドだったのは確かなようだ。





赤松敏弘meetsハクエイ・キムBand

今度は足利! 足利 meeting!!
ドラマー小山太郎プレゼンツでゴールデンウイークに登場!!

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赤松敏弘(vib)
ハクエイ・キム(p)
生沼邦夫(b)
小山太郎(ds)
ゲスト:小林啓一(vib)

赤松meetsハクエイの人気プログラムに加えて、北関東で活躍中のヴィブラフォン奏者小林啓一をゲストに迎え滅多に見れないツイン・ヴァイブのバトルなど、今回も見どころ満載の一夜!

只今絶賛発売中。★残席僅か! 御予約はお早目に!!

国指定史跡“足利学校”や“あしかがフラワーパーク”、“栗田美術館”などの観光名所に恵まれた足利観光( http://www.ashikaga-kankou.jp/ )と合わせてゴールデンウイークのお出掛プランに是非どうぞ!



『2011年ベスト・ライブ(動画)』公開中!


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

・当日のセットリストは以下の通り

[1st set]

1.Trisoniqe......(by Hakuei Kim)
2..White Forest......(by Hakuei Kim)
3.Sound of Focus.....(by Toshihiro Akamatsu)
4.[duet] Newtown......(by Hakuei Kim)
5.Ruby, My Dear.....(arr Toshihiro Akamatsu)
6.Axis.....(by Toshihiro Akamatsu)

[2nd set]

1.The Gleaner.......(by Toshihiro.Akamatsu)
2.[Tribute to 1964's Miles]......So What
3.[Tribute to 1964's Miles]......Stella by Starlight

4.[Tribute to 1964's Miles]......Walkin'
5.[duet] Silent Butler.....(by Toshihiro Akamatsu)
6.Kuala Lumpur......(by Hakuei Kim)

[Encore]

1.Dear Old Stockholm
2.O Grande Amor

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

・セットリストの赤文字の演奏をアップしています。
・動画は従来通りMySpace版と、プラグインの関係でMySpaceビデオがご覧になれなかった人向けにYouTube版もアップしています。
・MySpace版YouTUbe版とも、どちらも同じ内容です。


[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




[MySpace版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部1曲目



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]






ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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タグ: Jazz ジャズ CD




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