2012/5/31

reissue盤で過去に逃していたものは新譜と同じ耳で聴くといい。。  木曜:Jazz & Classic Library


先日黄色いレコード屋に行った時に、いくつかの懐かしいアルバムの他に、当時は入手出来なかったアルバムもいくつかゲットした。

当時は子供の耳でも十分楽しめるとばかりにジャズを聞いてどんどんのめり込んで行った時期だったけど、今改めてその頃耳に出来なかった「新譜」を聞くと、不思議な事に耳がその頃の状態に戻って本当の新譜のように楽しんでいるのだ。

CDショップでなぜリイシュー盤ばかりに目が行ってしまうのか、やっとわかった

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自分ではreissue(リイシュー)ではなく“新譜”として楽しんだのがコレ!


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『Love-In/Charles Lloyd』(atlantic/1967年)

1.Tribal Dance
2.Temple Bells
3.Is it Really the Same?
4.Here There and Everywhere
5.Love-in
6.Sunday Morning
7.Memphis Dues Again / Island Blues

Charles Lloyd(ts,fl)
Keith Jarrett(p)
Ron McClure(b)
Jack DeJohnette(ds)

Live at the Fillmore Auditorium in San Francisco, Jan/27/1967.

チャールス・ロイドの、あの“出来過ぎ”と付けても過言ではないほどにヒットしたアルバム『Forest Flower』(1966年9月録音)の四ヶ月後の録音で、事実上バンドが崩壊した状態の記録『Soundtrack』(1969年1月録音)の出発点と思えるライブの記録だ。

出来過ぎたモンタレー・ジャズ・フェスティバルの『Forest Flower』は、実際にはライブ録音と同時期のスタジオ録音をミックスして全編ライブ録音のように見せかけているのだけど、僕はそんな事に目くじらを立てる気などさらさらない。スタジオだろうが、ライブだろうが、演奏している側はいつも同じ。違うのは個々のコンディションを除けば演奏環境くらいだ。
当然ながらスタジオ録音のほうが集中出来るから描いた形を記録出来る確率が高い。

でも、ライブ録音にも良さがある。

客席の息づかいや拍手、反応といったものが音楽の要素と考えるなら一つの効果になっている場合もある。
いや、そういう事ではなくて、僕が子供の頃にジャズのレコードを聞いて思っていた事はもっと他にあった。

ライブ録音が良いと思えた要因。

それは・・・

録音が自然だから!

ええ〜ッと思うかもしれないけど、僕が子供の頃の1960年代の録音は、スタジオよりもライブの録音のほうが余韻や臨場感があって聴きやすかった。

ライブ録音が音質的に優れているというのではなく、その当時のスタジオ録音はまだ試行錯誤の段階で「良い音」がオーディオ・スピーカーから聞こえて来たのは1970年代に入ってからだ。

それまでは、ライブ録音のほうがトータルするとバランスが良かったんだ。

今では信じられないけど、その頃の録音を聞くと、スタジオ録音は「ついつい時代を感じてしまう音質や音色」であるのに対して、ライブ録音(と言ってもある程度の広さのある会場だけど)は「そんなに時代的な違和感を持たないで聴ける音質や音色」だ。

たぶん加工技術に時代を感じるメカニズムが潜んでいたような気がする。

で、

この、フィルモアでのチャールス・ロイドの音は、今回初めて聴いたのだけど、音質的には「思ったほど古臭く聞こえない」録音だったのでホッとした。

くだんの“Forest Flower”は、これも出来過ぎと付けて良いほど録音状態も良かった。
さらにヒットしたアルバムなので原盤の保存状態も良好で、1966年の野外録音とは思えないほど細部まで音を加工してある。だから、今聞いても全然古臭く聞こえない。

対して、このアルバムは(僕の記憶では)そんなにヒットしていた気配が無かったので、原盤の保存状態も“それなり”に劣化してCD化されている。

スタジオ録音とライブ録音を一つのアルバムとしてミックスした(というのは実は物凄く細部まで手の込んだ作業が必要)“Forest Flower”と違って、大雑把にマイクを立てて録音した感じがするこのアルバム。今回初めて聴いて僕自身「新譜」の感触で聴き進む内に、このバンドのある重大な変化に気付いた。

“Forest Flower”の数ヶ月後の演奏であり、その二年後にこの延長線上にあるバンド崩壊を強く感じさせる“Soundtrack”への序章。

その大きな要因の一つがベーシストの交代にあるようだ。
前任のセシル・マクビーはベーシストとしてだけでなく作曲の面でもこのグループに大きく貢献していたと思う。アルバム“Forest Flower”にも収録されているマクビーのオリジナル「Song of her」はこのグループが活躍した1966年の空気を感じさせるモーダルでリリシズムに溢れたコルトレーン・スタイルのバラードだった。
セシル・マクビーの曲になるとポスト・コルトレーンでありながら、きっちりと時代の枠組みを押さえている感じがしてサウンドがキリリと引き締まり、プログラム上のアクセントとなっていたと思う。

それが、どのような理由で脱退したのか知る由もないが、このアルバムでは演奏されない(当然か?)。
後任のロン・マックルーアは後年マイク・ノックのザ・フォースウェイなどで素晴らしい活躍を果たす優れたベーシストなのだけど、作曲の面での貢献は・・・・。

作曲者というのは、少なくとも自分の曲に関しては上から下まで意図する音にはシビアなはずだ。
それは他人の曲を演奏している時も同じで、そのような部分がバンドの個性と結びついている場合が多く、このチャールス・ロイドのクァルテットの場合も、ロイドの破天荒さと、キース・ジャレットの知性と破滅が同居した感じに、マクビーのリリシズムが程良いブレーキとなってバランスしてしいたのが、マクビーの退団にってブレーキの利きがどんどん甘くなっているようだ。

たった四ヶ月過ぎただけなのに、このアルバムでチャールス・ロイドが何を示したかったのかがぼやけているような気がしてならない。
たぶん、それはセシル・マクビーを欠いた事によるバランスの崩壊だろう。
なので、四か月前に絶妙のバランスで出来上がっていた“Forest Flower”よりも、二年後に崩壊を臭わせる“Soundtrack”のほうがサウンド的、音楽的にも近い、という不思議な感じ。

「Tribal Dance」はロイドの作品でモーダルな曲と演奏が10分続く。ポスト・コルトレーン派の旗手の面目躍如的ブローイングが聴きどころ。
ただ、ロックの殿堂、フィルモア・オーディトリアムに集まったロック好きのオーディエンスの目にはどんな風に写ったのだろうね。ちょっと興味がある。今のところ客席からこれと言った反応・・・なし。。

ロイドの竹笛のようなフルートで綴る「Temple Bells」。短いが、こういう曲のほうがオーディエンスは反応しやすい。どことなくエスニック、なんとなくエスニック。ロイドの作品。

ちょっぴりロックンロールなベースパターンな「Is it Really the Same?」はキース・ジャレットの作品。こういうアーシーな感じはオーディエンスも馴染みがあるだろうし聞きやすいとみえて徐々に反応が始まっている。

そのままビートルズの「Here There and Everywhere」が飛び出して来るのはなんか拍子抜け。ちょっとみんな営業っぽい演奏でよそよそしさが漂う。オーディエンスの一部にはウケているようだ。ソロはキース・ジャレットのみ。キース・ジャレットでビートルズ・ナンバーというのも、何とも不思議な気がするが。。。
もしも自分達と同世代のカルチャーとしてのリスペクトが伝わればもう少し違う反応になったのではないかなぁ。

そのまま竹笛のようなロイドのフルートがリードして「Love-in」に突入。
さすがはキース・ジャレット。どんなところからでもソロを持って行きます。オーディエンスの反応も徐々に良くなっているのがわかります。

キース・ジャレットのゴスペル風でアーシーで、ビートポップな「Sunday Morning」はキース・ジャレットのソロから。ロイドはパーカッションのみ。ロン・マックルーアのベース・ソロを経てテーマに戻る頃にはすっかりオーディエンスもしっかり反応。

最後のメドレー「Memphis Dues Again / Island Blues」はロイド作。
最初はロイドの一人舞台。古臭い雰囲気のヴィブラートとアヴァンギャルドなフリーブロウが交互に登場しながら進む。どのようなパフォーマンスを行っているのかはわからないが、かなり客席には大ウケなロイド。
それに気をよくしたか、もっとステージ・パフォーマンスで応えると客席はバカうけ。
リズムインから最終曲へとなだれこんでステージは終わる。

ロックの殿堂に乗り込んで「ノックアウトしてやる」と意気込んだのはマイルス・デイビス。
事実、今聞いてもそんなに古臭く感じない音楽を携えて乗り込んだ。

じゃ、同じようにロックの殿堂に乗り込んだロイドは一体何をしているんだろう?

なんとなく中途半端なところで、しかもビートルズ・ナンバーなども御愛嬌で披露するのはいいが、それが何に繋がるのかはサッパリわからなかった。
それがロイド、って事なのかもしれない。

この後、長いブランクを経て再び僕らの目の前に戻って来た時には全てが的を得ていたかと言えば、それがまた違う。なんと力の抜けた人なのだろう。
ところが、2000年頃から彼が紡ぎだすアルバムの音には、遥か1960年代から脈々と続く問いかけへの答えが用意されているように思う。

周りは変った。
しかし、自分は自分のまま。

今やいい感じに枯れて、ちょうど良くなった感じのロイドの原点は、ビートルズナンバーをも取り上げたこのアルバムで問いかけていたものなのかもしれない。

ともあれ、賞味期限から45年過ぎた新譜は、しっかりと今僕の脳裏に刻まれたのでした。





只今放映中!
『横濱ジャズプロムナード2011/赤松敏弘(vib)道下和彦(g)ユキ・アリマサ(p)TWIN DUO×TRIO』

昨年秋のジャズフェスティバル『横濱ジャズプロムナード2011』に出演した時のステージがテレビで放映中。

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赤松敏弘(vib)道下和彦(g)ユキ・アリマサ(p)TWIN DUO×TRIO @ 横濱ジャズプロムナード2011

【放送日程】
横浜ケーブルビジョン(YCV情報チャンネル)http://www.catv-yokohama.ne.jp/catv/ycv_infochannel_list/
・期間/5月28日(月)〜6月3日(日)
・YCV情報チャンネル-1ch 午後1時〜(月〜金)地デジ101ch
・YCV情報チャンネル-1ch 午前1時〜(月〜日)地デジ101ch
・YCV情報チャンネル-2ch 午後4時〜(月〜日)地デジ102ch

ケーブルシティ横浜(MMコミュニティチャンネル)http://www.ccy.or.jp/comm_ch02.html
・期間/5月30日(水)〜6月5日(火)
・毎日/午前10時〜、午後1時〜、午後6時〜、午後10時〜、

各60分。

どうぞお楽しみに!

ちなみに東京では観れないので誰かコピーしてちょーだいな!(笑)





『BEST LIVE 2011(動画)』公開中!


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

・当日のセットリストは以下の通り

[1st set]

1.Trisoniqe......(by Hakuei Kim)
2..White Forest......(by Hakuei Kim)
3.Sound of Focus.....(by Toshihiro Akamatsu)
4.[duet] Newtown......(by Hakuei Kim)
5.Ruby, My Dear.....(arr Toshihiro Akamatsu)
6.Axis.....(by Toshihiro Akamatsu)

[2nd set]

1.The Gleaner.......(by Toshihiro.Akamatsu)
2.[Tribute to 1964's Miles]......So What
3.[Tribute to 1964's Miles]......Stella by Starlight

4.[Tribute to 1964's Miles]......Walkin'
5.[duet] Silent Butler.....(by Toshihiro Akamatsu)
6.Kuala Lumpur......(by Hakuei Kim)

[Encore]

1.Dear Old Stockholm
2.O Grande Amor

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

・セットリストの赤文字の演奏をアップしています。
・動画は従来通りMySpace版と、プラグインの関係でMySpaceビデオがご覧になれなかった人向けにYouTube版もアップしています。
・MySpace版YouTUbe版とも、どちらも同じ内容です。


[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




[MySpace版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部1曲目



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]






ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
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guest:森川奈菜美(vo)

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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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