2013/2/21

ベースもドラムも俗っぽく感じてしまうイントロ  木曜:Jazz & Classic Library


おはようございます。

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こんな時間に何を聴いているのかと言えば・・・・

STANDARDS。

なんですか? どこのオールディーズ?

いえいえ、ピアノのキース・ジャレットのトリオの事です。

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窓の外はすっかり“今日”の装いですが、僕は“昨日の最後”です。

滅多にこんな風にカーテンを開けてこの時間の太陽を浴びながらジャズを聴くなんて事はないのですが、どうもこのキース・ジャレットのアルバムを聴いていると、やや緩めの朝陽を浴びてみたくなるのです。

と、言っても、ボサノヴァを聴く時のように祈るように聴くのではなく、俗っぽくキシリトールガムを噛みながらキース・ジャレットの唸り声に反応するのです。


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『STANGARDS LIVE/Keith Jarrett』(ecm/1986年)

1. Stella by Starlight (Ned Washington, Victor Young) – 11:15
2. The Wrong Blues (William Engvick, Alec Wilder) – 8:03
3. Falling in Love with Love (Lorenz Hart, Richard Rodgers) – 8:44
4. Too Young to Go Steady (Harold Adamson, Jimmy McHugh) – 10:10
5. The Way You Look Tonight (Dorothy Fields, Jerome Kern) – 9:31
6. The Old Country (Nat Adderley, Curtis Lewis) – 6:36

Personnel

Keith Jarrett – piano
Jack DeJohnette – drums
Gary Peacock – double bass

Manfred Eicher – producer

recorded on July 2, 1985 in Paris.

1980年代の半ば、まだボストンのバークリーに留学する前の事。
ピアニストに誘われた都内のライブで、突然“If I Should Lose You”をやりたいとか、“I Fall In Love Too Easily”いいなぁ、と言い出すピアニスト。

「はぁ? なんでまたハコバンのシャリコマじゃん!? どーしたの? ゴトシの練習?」

コアでコンテンポラリーなオリジナルを得意とするピアニストから出て来るとは信じられない曲名が・・・
いやいや、本人かなり真面目。

心を入れ替えたか?(笑)
そう思ったのもつかの間、ネタはキース・ジャレットにあった。

僕はこの時までキース・ジャレットのトリオがスタンダードをやっているのは知っていたが聴いた事がなかった。

何となく、手垢まみれの感じがするスタンダードには抵抗があって、自分から進んで演奏する気にはなれなかったから、なんでまたキース・ジャレットともあろうピアニストが、、、と、どうしても好きになれなかった。

70年代からずっと注目して聴いていた身には、どことなく“裏切られた”気がしてならなかった。

じゃあ、全然スタンダードに興味が無かったのか? と言えば嘘になる。

例えば、コンテンポラリーなカーラ・ブレイやスティーヴ・スワロウ、ラルフ・タウナーらの曲で構成されたゲイリー・バートンの来日公演を聴きに行った時、途中にサラリと演奏された“I'll Remember April”とか、コテコテのオリジナルで構成されたチック・コリアの来日公演で隙間にチョいと演奏された“So In Love”など、普段スタンダードを聞き慣れないミュージシャンが演奏するスタンダードは大好きだった。

何が好きって、その時代の感覚で自然にスイングしているからね。
音楽は時代の写し鏡だから、過去ばかり振り返っているような演奏には興味がなく、その時の、ごく普通の言葉で演奏されたスタンダードはくどくなくて良かった。

でも、キース・ジャレットは違う。
僕の中ではそれまでのソロ・パフォーマンスから飛躍するには、あまりにも俗っぽくて興味が湧かなかった。

周りのミュージシャンは皆聴いていた。
だから、なに?
そんな鼻息の荒い感じで無視していた。

ある時、このアルバムを知り合いのギターリストの車で耳にした。

最初の“Stella by Starlight”のイントロ。。。。
まるでソロ・アルバムの『Staircase』(ecm/1976年)から飛び出して来たような、ごく自然なソロ・パフォーマンスで奏でられるステラに釘付けになった。
もちろん、ステラ・バイ・スターライトなのだけど、大胆なリハーモナイズと転調を挟みながら、まるで星空を漂うような“揺らぎ”と“祈り”に縁取られて、これまでに見た事も聴いた事もない世界へと導いてくれる。

「これは、、凄い、ステラ、、だ。。。」

そう呟いた僕に、友人は「そうだろー。どうして君がこれを嫌いなのかわからなかったよ。聴かず嫌いはダメだね」と。

うん、とうなづこうと思った瞬間に、ベースとドラムがインして来て、急に俗っぽいどこにでもあるステラ・バイ・スターライトに。。。

「ほら。。。これが嫌なんだ、この俗っぽいところが・・・」

「変ってるな。みんなそこがいいって言ってるのに」

「うん、変ってようが腐ってようが、あの素晴らしいイントロから、どうしてこの俗っぽい世界に駆け下らなきゃならんのか僕にはわからん。。。」

「じゃ、どーすりゃいいんだ?」

「こうしなきゃいい」

「ふん。変人!」(笑)

「変人けっこう!」(笑)

まぁ、そんな事を車の中で論議したのを覚えている。

あれから四半世紀。

久しぶりに“あの”素晴らしいイントロを聴きたくなった。

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“Stella by Starlight”・・・・もうとうに夜は明けてしまったが、それでもこのイントロはやはり満天の星空のようだ。絶品だ。吸い込まれそうなくらい透き通ったイントロ。ああ、なんて素敵なんだろう。ずっとこのままそうやって弾いていてほしい。こんなに夜空の見えるステラは他にない。ずっとこのまま・・・・

ああ、やっぱりそこでリズム・インしちゃうのね。。。

僕はやはりイントロだけを何度もリピートしたくなる。
こんな素敵な世界なんだぜ。。。

“The Wrong Blues”・・・・この時のコンディションについてはわからないが、珍しく不安定な演奏が続く。もちろんいつものキース・ジャレットなんだけど、どこかアンバランスな感じがしてならないテイク。

“Falling in Love with Love”・・・・もはやピアニストの枠をはみ出している。思いつく全てをビートにのせて唄っている。左手はこうなると単なる息抜きでしかない。そこまでコンセントレートしてしまうところにキース・ジャレットの醍醐味がある。たぶんこの時、本人は自分がピアニストであった時間を覚えていないのではないだろうか。彼にとって唸り声はその瞬間の自己啓発のようなものだ。

“Too Young to Go Steady”・・・・実は全体の演奏としてはなぜかこの曲が一番印象深い。ただのバラードにならなかったところが大きいのか、それとも?
時間経過が実にスムース。展開も発想もとても幸福感に満ちていてとてもいいなぁ。フレーズに頼らずインスピレーションに全力投球するところがソロ・パフォーマンスとそっくりで、たぶん他の二人がキース・ジャレットの左手の役割をしっかりと果たしているからだろう。
当時どれだけ多くのピアニストがこの演奏に勇気づけられたか計り知れない。
自分の法則でスタンダードが十分やれるという事を立証した演奏だ。

“The Way You Look Tonight”・・・・たぶん、この中で一番スタンダードらしいテイク。時折入る左手のカンピングが右手を挑発しているのが面白い。キース・ジャレットは自分の内面との葛藤の他に自分の左右の手、指をも誘発させてインスパイアーしているのが実によくわかるテイク。

“The Old Country”・・・・軽くサラリと始めるところが余裕。ゲイリー・ピーコックのソロがフィーチャーされる。

そして、演奏は突然終わり、やや動揺した聴衆が我に返ってアンコールを求めるところが面白い。




★☆★ 2012 BEST LIVE (動画) ★☆★

Nov/14〜15/2012

Toshihiro Akamatsu (vibraphone)
Hakuei Kim (piano)

1st set (9:30pm〜10:50pm)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)O Grande Amor

2nd set (0:48am〜2:09am)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)On Green Dolphin St

Rec, Nov/14〜15/2012 @ Okaido"COLORFUL", Matsuyama, Ehime, JP

※赤文字の演奏動画を公開しています

ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/1:00am's StellabyStarlight (Full version)

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

2012年11月14日四国・松山でのライブ第二部のもので第一部と同じ曲の深夜の演奏です。
まったく違うイントロから始まった瞬間から純粋な即興演奏に突入しました。
デュオという最小公約数にして最大の自由度を持つアンサンブルでしか出来ない衝動の記録となりました。
ソフトのアップロード時間制限の為に10分未満の暫定バージョンを年末にアップしていましたが今回フルバージョンに更新。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/2:00am's GreenDolphin

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

あらゆる意味で刺激的だったこの日のライブの最終アンコール。時刻は午前2時です。
第二部の会場は半分以上が地元のミュージシャンやピアニスト、音楽関係者で埋まっていましたから二人ともよりアグレッシヴなOn Green Dolphin Stに。午前二時にこんなガチンコなライブをやる街は日本でも珍しいでしょう。さすがは我が故郷です(笑)


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:53pm's StellabyStarlight

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

赤松・ハクエイDUOでのStella by Starlight。
このバージョンは2012年11月14日四国・松山でのライブ第一部のものです。
前月の横浜ジャズプロムナード2012でも評判だったこのスタイルのデュオがさらに一歩踏み込んだところでの演奏に。次の深夜のステージの演奏と比較するとまったく別の曲です。ジャズライブの楽しみ方で僕らはとても大きな事にこの時気付いたのでした。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:46pm's The Gleaner

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

四国・松山でのライブ第一部でのオリジナル曲The Gleaner。この日は入替え制という事もあり第一部も第二部も同じプログラム(アンコールを除く)でしたが、考えてみればクラシックのコンサートやポップスのコンサートとジャズのコンサートが大きく異なるのは、たとえ同じ曲を一日に二度演奏したとしてもまったく違う演奏になるのが当たり前。このライブではその当たり前な事を随分長い間僕らは忘れていた事に気づかされて、久しぶりに達成感で満たされたのを覚えています。


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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




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■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
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赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

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CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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