2013/5/24

続・ヴィブラフォンもマリンバも一歩先行く余韻をコントロール。アプローチノートの効果  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第三百十一回目の今日は先週からの続きで『続・ヴィブラフォンもマリンバも一歩先行く余韻をコントロール。アプローチノートの効果』と言うお話し。

途中からの人は先週の金曜ブログ『ヴィブラフォンもマリンバも一歩先行く余韻をコントロールする演奏を目指すべし!』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20130517/archive )から読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!



クラシックで言う装飾音符とジャズで言うアプローチノート。

ヴィブラフォンやマリンバを演奏しているとクラシックの譜面では音符の横にチョコチョコって書かれてあるのが装飾音符ですね。ところがジャズの場合はチョコチョコじゃないんです。

ヴィブラフォンやマリンバに限らず、装飾音符の演奏の仕方で上手・下手がわかれるほど。

それぞれ次の主となる音に対して半音や全音で「装飾」をほどこすものだけど、おおまかに言えばクラシックの装飾音符とジャズのアプローチノートは同質のものと考えられる。主役じゃないけど無いとどこか物足りなさを感じる音符。

ただし、クラシックの装飾音符は音楽の流れの中の“拍という概念とは無縁”な感情表現的な性質も見られる音符であるのに対して、ジャズのアプローチノートは“拍という概念の中”に留めて次に来る音を惹き立てる役割を持つ。

もっとも、この概念はジャズ理論が進化する過程でアプローチノートという用法が確立されてからのもので、それ以前のオールドファッション的なジャズ(目安はピバップ以前)や、クリオールが作ったジャズのもう一つの原型と言われるラグタイムではクラシックと同じ装飾音符として演奏されている。

もちろんクラシックの装飾音をその名の通りアクセサリーノート、ジャズのアプローチノートを性質から隣接音と呼んだりもするが、メロディーの中ではどちらも「装飾に使う音」という意味では同じ。

ほとんど旋律の音程とリズムが決められているクラシックで唯一自由が効くのがこの装飾音符とカデンツ。
全体のハーモニーの流れの中で自由な旋律を演奏するのにリズムと用法が定まっているアプローチノートとケーデンス。
おもしろい事に両者はまったく逆のところに自由を求めているんですね。
じゃあ、その自由なところだけを両者から引っ張り出したら、どんな音楽が生れるのでしょうね。これから21世紀的に考えてみる必要は大いにありそうです。



さぁ、そんなイントロに続いて先週からの続きですよ。
まずは先週リハモナイズした“all the things you are”の9-16小節めで解説。

オリジナルの9-16小節目は・・・
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(クリックで拡大/以下同じ)

リハーモナイズした9-16小節目・・・
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ヴィブラフォンやマリンバは余韻が持続するので次のコードまでに上手く余韻を処理する必要がある。
ヴィブラフォンならペダル操作があるがマリンバの場合は無い。どちらも共通して使えるのがマレット・ダンプニング。叩いていないマレットで音盤をミュートしながら演奏する奏法だ。

しかし、そこまでやっても余韻というのは人間の耳に持続しているもので、その処理は音を消すという単純な事だけでは解決しない。
そこで、先週解説したようにメロディーを「余韻が次のコードスケールにある音」を選択する訓練が効果を発揮する。

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ここで宿題だった。

この形をもっと「そこで停まらずに進め!」という形に出来ないものか?
そのヒントが何かが宿題だった。

答えは・・・・

アプローチノート!

次のコードと共有する音がアプローチの用法の「ターゲットノート」になる。

以前に散々実践したから覚えていると思うけど、ターゲットを定めて、その音に対して半音、又は全音でアプローチするのだ。

この場合、まずは全て半音でアプローチしてみよう。

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一小節目と二小節目のターゲットはEb。
この音は二小節目のコードEMaj7の7th(D#)になる。
アプローチをより強調する為にメロディーが描くラインの反対側からターゲットに向かう設定にする。
この場合は上からメロディーが降りて来ているので、ターゲットノートには半音下からアプローチする。

他も同様。

さぁ、これで完成!
いやいや、ちょっと待て待て。

確かに半音でアプローチした音はターゲットノートを惹き立てているのだけど、何となく半音だけだと頼りない感じにならないか?
もう少し安定したほうがメロディーも落ち着く。

ならば、これも過去に解説済みの用法を使おうじゃないか。

■ディレイド・リゾルブ(Delayed Resolve)の活用

リゾルブというのは解決という意味で、ディレイは遅らせるという意味だ。
文字通り「遅らせて解決」させる用法。

いろいろバリエーションはあるが今回は以下に統一。

・現行のアプローチノートとターゲットノートの間に1音挿入する
・アプローチノートとは反対方向からターゲットノートに向かう
・今回はコードスケール上に存在する隣接音を使う

すると・・・・

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これでリハモナイズした“NEW ALL THE THINGS YOU ARE”のブリッヂまで16小節間のアナライズと検証が終わった。
ブイブイとソロを演奏する土台が固まったわけだね。

じゃあ続いてブリッヂのリハーモナイズに進もう。

まずオリジナルのブリッジのコード進行はこんな感じだ。

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あくまでもボサノヴァという大前提に似合うリハーモナイズ。

僕は多少明るさを押さえてこんなリハモナイズにしてみました。

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たぶん、この全体のコードスケール・アナライズはそんなに複雑ではないと思う。
メロディー的には最初のBm7(b5)の時にb9thのメロディーが来るのだけど、これは次のコード(E7)のb13thのアンティシぺーションだと思ってほしい。(実際にボサノヴァの曲には多い)

二小節目のメロディー「Eb」はアプローチノートとして、6小節目のメロディー「Bb」も同様。ちょうど4小節区切りで見ると同じ位置にメロディーがアプローチノートを含むので好都合だった。

最後の二小節はコードスケールをアナライズしやすいようにライン・クリシェを示した。
ボサノヴァでよくあるパターンだ。

これがあると無いでは大違い。

その部分をもっと細かく表示すると次のようなオスティナートとクリシェとなり、そのままAメロに戻る、というわけだ。

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この部分、一応コードスケールを検証してみてください。
来週答え合わせをしましょう。

どんどんボサノヴァっぽくなって来たと思いませんか?


(以下次回)




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★☆★ 2012 BEST LIVE (動画) ★☆★

Nov/14〜15/2012

Toshihiro Akamatsu (vibraphone)
Hakuei Kim (piano)

1st set (9:30pm〜10:50pm)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)O Grande Amor

2nd set (0:48am〜2:09am)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)On Green Dolphin St

Rec, Nov/14〜15/2012 @ Okaido"COLORFUL", Matsuyama, Ehime, JP

※赤文字の演奏動画を公開しています

ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/1:00am's StellabyStarlight (Full version)

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

2012年11月14日四国・松山でのライブ第二部のもので第一部と同じ曲の深夜の演奏です。
まったく違うイントロから始まった瞬間から純粋な即興演奏に突入しました。
デュオという最小公約数にして最大の自由度を持つアンサンブルでしか出来ない衝動の記録となりました。
ソフトのアップロード時間制限の為に10分未満の暫定バージョンを年末にアップしていましたが今回フルバージョンに更新。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/2:00am's GreenDolphin

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

あらゆる意味で刺激的だったこの日のライブの最終アンコール。時刻は午前2時です。
第二部の会場は半分以上が地元のミュージシャンやピアニスト、音楽関係者で埋まっていましたから二人ともよりアグレッシヴなOn Green Dolphin Stに。午前二時にこんなガチンコなライブをやる街は日本でも珍しいでしょう。さすがは我が故郷です(笑)


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:53pm's StellabyStarlight

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

赤松・ハクエイDUOでのStella by Starlight。
このバージョンは2012年11月14日四国・松山でのライブ第一部のものです。
前月の横浜ジャズプロムナード2012でも評判だったこのスタイルのデュオがさらに一歩踏み込んだところでの演奏に。次の深夜のステージの演奏と比較するとまったく別の曲です。ジャズライブの楽しみ方で僕らはとても大きな事にこの時気付いたのでした。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:46pm's The Gleaner

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

四国・松山でのライブ第一部でのオリジナル曲The Gleaner。この日は入替え制という事もあり第一部も第二部も同じプログラム(アンコールを除く)でしたが、考えてみればクラシックのコンサートやポップスのコンサートとジャズのコンサートが大きく異なるのは、たとえ同じ曲を一日に二度演奏したとしてもまったく違う演奏になるのが当たり前。このライブではその当たり前な事を随分長い間僕らは忘れていた事に気づかされて、久しぶりに達成感で満たされたのを覚えています。


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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

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CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

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CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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