2013/7/18

斬新なイントロが街中のスピーカーから聴こえていた頃  木曜:Jazz & Classic Library


また今日から猛暑がぶり返すそうですよ。

ふうーっ。

こんな時はどんな音楽がいいかなぁ、、、
そう思ってライブラリーを覗いていたら、「うん、コレだ!」と手に取ったのが・・・・


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『BLUE PACIFIC/Michael Franks』(reprise/1990年)

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今日はテキストで紹介すると複雑になるのでインナーを掲示しました。

マイケル・フランクスは1977年に聞いた『Sleeping Gypsy』以来新譜が出れば欠かさず買い求めている数少ないアーチストの一人。つまり敬虔なマイケル・フランクスのファンという事になります。

大きく分けてマイケル・フランクスには三つのピークがあると見ていて、一つは前出の「Sleeping Gypsy」が世界的にヒットしたウエストコーストを感じさせる初期、続いて1985年の「Skin Dive」をピークとするアーバンスタイル(都会的に洗練されたスタイル)、そして1995年の「Abandoned Garden」をピークに始まるアコースティック回帰と成熟期。

しかしどの時期でも時代に敏感なサウンド作りを核としているところに一寸のブレもない。
長年マイケル・フランクスを聴き続けられるのも、そうした強い信念の元に音楽を作り上げているからだ。
もちろん注目すべきサウンド作りもある。

三つのピークのちょうど真ん中から成熟期への変り目にあたるこのアルバムは、バブル景気真っ盛りのトーキョーによくフィットしていた。

1990年の夏。
あらゆるメディアから流れて来たのがこのアルバムの1曲目“The Art Of Love”だった。
前年の夏に帰国して、ちょうど僕も売出し中の時期でもあった90年の夏の記憶がこの一曲にギュっと詰まっている。

最初に耳にしたのは野外のフェスティバルに向かう車の中だった。

打ちこみ全盛期の申し子のようなドラムンベースに刻まれるイントロが流れてきて「おっ、おっ、お〜!」と思っていると聞き慣れたマイケル・フランクスの声。
この人はホントに時代を先読みするなぁ、と感心した。

それから半年もしない内に、街中にドラムンベースに刻まれる似たような音楽が氾濫。
制作側にいる人間がどれだけマイケル・フランクスを音楽制作のバイブルとしていたか判明するような兆候だった。

それとリンクするように、実は僕の頭の中もこの1曲目が何百万回とリピートしていたのだけど、さて、四半世紀近く経ってアルバムを取り出してみると、どうやっても頭の中のインプットプレーヤーから2曲目以降が出て来ない。。。
これは一体どうした事か!?

あまりにも1曲目の印象が強烈で、どうやら他の曲の記憶が霞んでしまったようだ。
極端だなぁ。。。。

そんな状態なので、四半世紀近く経ってあらためて新鮮な耳で2曲目以降を楽しむ事に。
これはこれでとてもいい事だ。

二曲目“Woman In The Waves”は1曲目と同じジェフ・ローバー(J.L)がプロデュースしている。マイケル・フランクスは一つのアルバムに複数のプロデューサーを起用する。
自分が持っている楽曲に最適なプロデューサーと仕事をしようという姿勢は見習うべき点だと思う。
それぞれのプロデューサーの味が加味されてアルバムがカラフルになる。
この二曲はローバーらしく、特にこの二曲めは当時のアメリカンポップな指向が活かされて正にその時代の先兵的な音がしている。80年代後期にアメリカで耳にしていたテイストが蘇る。

三曲目“All I Need”はウォルター・ベッカー(W.B)のプロデュース。

四曲目“Long Slow Distance”になって音楽がパッと広がる。なるほど、これはトミー・リピューマ(T.L)によるプロデュースで彼のセンスとマイケル・フランクスが見事に一致している。この二人のコンビは長く、僕が最初に聞いたアルバム「スリーピング・ジプシー」もリピューマの単独プロデュースだった。
軽く流すジャズ・フィールの曲調とラフな造りの中にサウンドの広がりがあって、非打ちこみの世界。
コロコロとしたピアノ・ソロはジョー・サンプル。広がるギターはラリー・カールトンとくればまったく「スリーピング・ジプシー」と同じ。これぞマイケル・フランクスという世界だ。

不穏な空気が漂いそうなイントロから始まる五曲目“Vincent's Ear”。
プロデューサーはW.B。僕はベッカーの代表作を知らないのでここまで彼がどんなサウンド・プロデュースを得意としているのかわからなかったが、ビート・ミュージック的なアプローチではないエレクトリック・アコースティックに得意技があるように気がする。

再びポップで打ち込み度バツグンのJ.Lプロデュースによる六曲目“Speak To Me”。いわゆるジャンプするジャズ・ファンク系の曲で、この後のマイケル・フランクスのアルバムでも必ずこのタイプの曲が少数とはいえ継続されていたところをみると、1980年代的なサウンドも必須だったようだ。とにかくカッコよさが核だね。

一転してアーバンな雰囲気のバラード“On The Inside”もJ.Lによるプロデュース。たぶんローバー一人がプロデュースするとこの辺りのサウンドで全体がまとめられるだろうなぁ、という予測は立つ。
それが良いか悪いかではなく、このように適材適所から聞こえて来ると、実に無防備な状態で音楽に身を委ねたくなる。複数プロデュースの成功例だね。

やはりプロデューサーが変るとホントにサウンドがガラリと変化するねぇ。そんなところもこのアルバムの楽しみ方の一つで、七曲目“Chez Nous”は「スリーピング・ジプシー」の続編的なサウンド。もちろん演奏スタッフはカールトン〜サンプルのトミー・リピューマ組。同じポップな味付けでもジェフ・ローバーが出がけるとイーストコースト的なのに対して、このトミー・リピューマが手掛けるとウエストコースト的になるから不思議。

さっきのアーバンなバラードがイーストコーストとすれば、今度はウエストコースト的なポップバラード“Blue Pacific”。こちらもトミー・リピューマのプロデュースなのだけど、演奏スタッフはさっきとは異なる。しかし、このスケールの広がりといい、アコースティックを軸にする所といい、やはりリピューマの采配が効いているのが面白い。

最後はワルツ、ウォルター・ベッカーによるプロデュース“Crayon Sun (Safe At Home)”。こちらはピーター・アースキンやアレックス・アクーニァなどが名を連ねる。やはりサウンドはイーストコースト。どこか悲しげな余韻を残しながらエンディングを迎える。
最後のバースでマイケル・フランクスらしい展開に。

アルバムというものを如何に楽しでもらえるかを考えると、この適材適所を複数のプロデューサーが担当する方式は成功していると思える。CDの時代になって一番懸念されたのが45分→74分という収録時間の拡大化だった。ちょうどその頃からアルバム作りに携わっているで当時みんなが悩みながら制作していたのを覚えている。

音を発する側からすると収録時間の拡大化は歓迎する風潮が強かった反面、いくら時間的な制限が緩和されたからと言ってスタジオでライブをやるように録ったものは聞き返すと飽きてしまって商品にならなかった。たまたま僕はその両方の立場が理解出来たので、その頃にこういったプロデューサー毎のカラーを活かして一人のアーチストをディレクションする方式は今後のアルバムというもののあり方を明確に示すものだと思った。

しかし、音楽がパッケージ商品から配信に替わった辺りから、その辺りの事も含めて全体を見る目がちっとも養われていないどころか、単品主義で随分面白味に欠けたものが周りを覆い尽くしてしまって全体の進化を妨げているような気がする。
記録媒体どころか、生のステージですらなんだか“単品主義”が横行してしまったような気配すら感じてしまう。

四半世紀近く経って、改めて聴いてみると、その一つ一つの曲に対して費やすエネルギーの使い方のあまりの違いに、ちょっと驚いてしまった。

いいねぇ。





★☆★ 2012 BEST LIVE (動画) ★☆★

Nov/14〜15/2012

Toshihiro Akamatsu (vibraphone)
Hakuei Kim (piano)

1st set (9:30pm〜10:50pm)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)O Grande Amor

2nd set (0:48am〜2:09am)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)On Green Dolphin St

Rec, Nov/14〜15/2012 @ Okaido"COLORFUL", Matsuyama, Ehime, JP

※赤文字の演奏動画を公開しています

ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/1:00am's StellabyStarlight (Full version)

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

2012年11月14日四国・松山でのライブ第二部のもので第一部と同じ曲の深夜の演奏です。
まったく違うイントロから始まった瞬間から純粋な即興演奏に突入しました。
デュオという最小公約数にして最大の自由度を持つアンサンブルでしか出来ない衝動の記録となりました。
ソフトのアップロード時間制限の為に10分未満の暫定バージョンを年末にアップしていましたが今回フルバージョンに更新。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/2:00am's GreenDolphin

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

あらゆる意味で刺激的だったこの日のライブの最終アンコール。時刻は午前2時です。
第二部の会場は半分以上が地元のミュージシャンやピアニスト、音楽関係者で埋まっていましたから二人ともよりアグレッシヴなOn Green Dolphin Stに。午前二時にこんなガチンコなライブをやる街は日本でも珍しいでしょう。さすがは我が故郷です(笑)


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:53pm's StellabyStarlight

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

赤松・ハクエイDUOでのStella by Starlight。
このバージョンは2012年11月14日四国・松山でのライブ第一部のものです。
前月の横浜ジャズプロムナード2012でも評判だったこのスタイルのデュオがさらに一歩踏み込んだところでの演奏に。次の深夜のステージの演奏と比較するとまったく別の曲です。ジャズライブの楽しみ方で僕らはとても大きな事にこの時気付いたのでした。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:46pm's The Gleaner

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

四国・松山でのライブ第一部でのオリジナル曲The Gleaner。この日は入替え制という事もあり第一部も第二部も同じプログラム(アンコールを除く)でしたが、考えてみればクラシックのコンサートやポップスのコンサートとジャズのコンサートが大きく異なるのは、たとえ同じ曲を一日に二度演奏したとしてもまったく違う演奏になるのが当たり前。このライブではその当たり前な事を随分長い間僕らは忘れていた事に気づかされて、久しぶりに達成感で満たされたのを覚えています。


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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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