2007/5/8

ボストン、BOSTON、  火曜:街ぶら・街ネタ

今回のレコーディング最終日はヴィブラフォンとピアノ(ユキ・アリマサ)のデュオ収録日でしたが、終盤に録音したユキ・アリマサのオリジナル曲を演奏した時の事でした。

二人ともバークリーに通っていた1980年代末に一度だけユキ・アリマサのリサイタルで演奏(当時はバンド編成)した記憶のある彼の曲を今回改めて取り上げてみたのです。
昨年リリースされた彼のトリオによるアルバムにも収録されている曲なのですが、レコーディングの1週間前に「あの曲デュオでやってみない?」とメールを送ると、さすがに困惑したようで「ちょっと考えさせて」と返事。

作曲者は彼なのだし、ましてずっとバンドやトリオで演奏していた曲をレコーディング直前になってデュオでやらないか、と言われたらイメージがなかなか沸いて来ないもの。
もしも彼が「ノー」なら他の曲を用意しておくつもりで僕はその週末は名古屋に向かった。

明けて東京に戻ると彼から「OK」の返事がメールで来ていた。

さて、録音当日、今回は15年前にクラシックのピアニストと演奏した曲や僕のバークリー行きの前に作った長〜い書き譜の曲なども取り上げていたので、このデュオとしては珍しくレコーディングはスローペース。
残すところ後2曲、という時にこの彼のオリジナル曲を収録する事になった。
今回は一度もレコーディング前に二人でリハーサルをやっていないからどの曲も今のこの瞬間に作り上げてる状態。まして彼の曲は十分理解しているとしても20年も前に一度だけ演奏した曲の記憶は殆ど無い。

あくまでも静かに、シンプルにやろう、という事で始まった。
テイク1はソロの構成などを含めて演奏時間が予想よりも長過ぎた。
もっとシンプルにしよう、と始めたテイク2。それはとても静かで客観的に僕がこの曲で描いていたものに一音、一音を出せば出すほどハマって行く感じがしながら演奏していた。
そう、これはあの頃、彼とデュオを始めた頃にいつも感じていた空気が蘇ったような気がして、プレイバックの為にブースから二人でコンソールルームに向かいながら思わず「今さぁ、バークリーのスタジオでレコーディングしてた頃の事を思い出したよ」と。

コンソールルームのドアを開けたら期せずしてスタッフ全員が拍手喝采。絶対にコレはOKだと確信した。

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明日は今回のアルバムのマスタリング。
デスクの上に最終曲順を入れたiPod。
確認の意味でコレを聴きながらブログを書こうと思ったら、ふと、この事を思い出したのでその頃の記録を取り出してみた。
当時最新のDATに詰まったボストン最後の録音マスター。その隣に今回の音源、約20年という時間で記録メディアはDAT本体よりも小さくなった。当時はカセットからDATに変わっただけでも驚異だった。

この最終音源は1989年6月にバークリーのあるボイルストン・ストリートにあるレコーディング・スタジオで帰国用のデモとして制作したものだ。
幸いにもその時の写真がある。

なぜか白黒のフィルムで撮っているのは、記念として特別に思ったからだろう。

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左から僕、原大力(ds)、ユキ・アリマサ(p) みんな若い!

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バークリー入学時からずっと一緒に演奏していたスクーリ・スビレッセン(b)
アイスランド出身の彼は卒業後NYに移り90年代の半ばには日本のギタリスト渡辺香津美さんのバンドで来日もしている。がスケジュールが合わず逢えずじまいだ、、

このスタジオは80年代に一世を風靡したアメリカン・ロックバンド「BOSTON」のプライベート・スタジオ。BOSTONはトム・シェルツがボーカル以外の全ての楽器を自身で演奏していたと言われるプロジェクト名(コンサートでは実際にバンドとして活動している)だか、その本拠地がココなのだ。

レコーディングをコーディネイトしてくれたのはエンジニア担当で現在アメリカのスタジオで引っ張りだこになっているKatsuhiko Naito。20年になろうとするのに彼の録音はいつ聴いても心地よい。

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スタジオの外は近所にジョン・ハンコックタワーがある

ボストンには独特のサウンドがあると言う。バークリーの深夜のスタジオ(バークリーのレコーデイング・スタジオは学生のプロジェクト使用で24時間稼動)で半ば意識モヲロヲとしながらいろんなプロジェクトの録音をやったが、確かにその殆どにはボストン・サウンドというものが感じられるから不思議だ。

今回、その一端が無意識の形でアルバムに記録出来たのはとても良かった。20年の時空など、音は容易く飛越えてくれる。

さて、いよいよ明日はアルバム二枚分のマスタリングで再び何十時間スタジオに閉じ込められる事になるのやら・・・
早く寝ましょ

おしまい



2007/5/8  11:45

投稿者:YELL

ホントに皆さんお若ーい!!
赤松さんとユキさんは性格が正反対みたいな〜 (^^♪)


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