2007/10/29

電話線の中を?  月曜:ちょっと舞台裏

「電話線を使って音楽や画像を送るんだよね」
「ふ〜ん。でも電話の音って良くないじゃない。出来るの?」

今となっては“当り前”の音楽配信。
冒頭の会話は1986年の事。世の中には家庭用FAXさえまだ普及して無かった時代だ。
僕が音楽配信という物に初めて触れた時の会話で、相手は同じ時期にバークリーにヴィブラフォンで留学したTさん。
Tさんとは前年東京で開かれた第一回のバークリー音楽大学夏季セミナー(当時はバークリー・イン・トーキョーと呼ばれ、後のバークリー・イン・ジャパンの前身)で知り合って以来時々連絡を取っていた。

三公社五現業。。。今30歳以下の人にはきっと馴染みのない言葉だと思うけど、それ以上の年齢の人には「ああ、あったなぁ」と思ってる人も多いはず。
試験問題で三公社をすべて述べよ、などと出題されて「国鉄」「電電公社」まではスラスラと書けたのに、あと一つが出てこないで泣いた人もいるかな?
もっとも、その後この三公社は全て民営化されたのでそんな問題は「何の意味も」無くなってしまった。だからこんな事で泣くのは馬鹿らしいと思うしかないですね。試験問題ってホントに役立つ知識だけじゃないからなぁ。。
かく言う僕ももう一つの公社(専売公社)はわかっても、五現業がなんだったのかさっぱり思い出せません(笑)

Tさんはその公社の一つ、「電電公社(日本電信電話公社)」の社員だった。正確にはこの会話の前年に「電電公社」は民営化されて「NTT」になっているのだけど。
そのデータ関連のセクションに所属していたわけです。

「電話の音」はお世辞にも良いとは思えなかった当時、その電話線の中から音楽や画像がどうやって伝わってくるのか、想像できなかったし、それがビジネスに繋がるなどと一介のミュージシャンに理解出来るわけがありません。

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一生懸命僕に説明してくれるTさん。でもさっぱり理解出来ず。

それが、「おや?」と思ったのは、それからしばらく経った1988年頃の事。
留学中のアメリカでパソコン通信が普及し、FAXは生活の必需品となり始めた辺りから。

やや遅れて日本でもFAXが家庭に普及しつつあった。

ある時バークリーの友人のFAXに彼の日本の実家から何枚も同じFAXが届くので彼が日本の親に「FAXが故障してるぞ」と電話したら「息子よ、新品のFAXを買ったけど何度やってもこの紙がそっちに送れんへん。これは故障か?」と聞かれて大笑いした事がある。スルスルと取り込まれる原稿がペロンと返ってくる、と嘆いてるのだ。紙が電話線を伝って相手に届くと思ったらしい(笑)。

そんな事件?でも、「これはTさんの言ってた通りに時代が進行してるな」と気付いた。

89年に帰国したらFAXは当り前でパソコン通信も普及していた。オマケに国鉄も民営化されてて、山手線とかを無理やり「E電」と呼ばせていたのにはいささか参った。

インターネットが普及を始めると同時に、パソコン通信のテキストだけの世界から一気に画像、そして音は悪かったが音楽も聴けるようになった。

音楽業界でもMacが主流として様々なところで使われるようになり、この頃になって初めて音楽配信という言葉が聞こえてくるようになった。
90年代半ばを過ぎた頃だ。

電話線の中を音楽や動画が流れて来るなんて、、、と言ってた時代から約10年。その頃になってTさんの言ってた事の全容が見えてきたんですね。

さらに5年で21世紀。

誰も思いも寄らなかった携帯電話という末端ツールがとてつもない進化を遂げパソコンと携帯の二つのチャンネルがネットで使われるようになった。

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それから後の事はみなさんもよく御存知の通り。

「CDが無くなるってホントですか?」

そう聞く人が多い。
20年という時間の中での進化を見れば「CDという形」が変化するのは目に見えている。シングルCDはまず簡単に音楽配信化されるだろうな。

ではアルバムは?

そこが今後の課題。
人間には物欲というものがあって自分で手にしたい物があって当り前。
データだけだとそこが満たされないのでCD廃止論に反対意見も多い。

でも、20年も前に「音楽配信」の開発が進められていたのだから、「物欲」を満たす「形」の研究も進んでいると思わないかい?

そう思うと、5年後に僕らが手にしている音楽がどんな形をしてるのか、想像してみるのも楽しいんじゃないだろうか。

おしまい



2007/11/2  11:57

投稿者:あかまつとしひろ

>文音さん、
林檎屋さん絶好調のようですね。Winの●ィ
●タが不評なようなので一気に巻き返しか!?

2007/10/30  12:38

投稿者:文音

昨日 銀座の林檎屋さんで、同じ様な事を考えてました。



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