2008/2/8

究極の練習その10・・・崩せって言われてもねぇ、、、  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。第八十一回めの今日は「メロディーを崩せ、崩せ、、」メロディー・フェイクのお話しです。

「じゃあ、コレ、メロ。お願い。カッコよくね」

なんて事で、譜面通りに演奏すると、ちょっとKYな感じがそこいらじゅうに漂って「なーんかサー、もうちょっとやりようないのー?」って言われて額から汗が滲んでしまう、、、なーんて経験がある人はジャズの演奏の入口に立っている人。
これから飛込もうとしている人は「な、な、なんで譜面通りじゃダメなのーーー!」ってパニックに遭遇する事があるでしょう。

いわゆる「歌モノ」と言われるジャズのスタンダードは簡単なメロディーとコードが書いてあるペラペラの紙(いちおう譜面なんですが)を渡されて、「っんじゃ、行くよ。ワーン、ツー、ワン・ツー・スリー・フォー」で始まっちゃう場合が多いのですね。
オリジナル曲やコンテンポラリーな曲は譜面に細かい事まで書かれているけど、スタンダードの曲になると何も書かれてない場合が殆どです。

これまでに楽器を触ってウン十年、ひたすら音符と睨めっこを繰返してきて、精度の高い再現演奏に慣れていると、ついつい音符に服従するように身体が反応してしまうものです。当たり前です。マチガイを許さず、正確に弾く事に時間を費やしてきたのですから。

それが突然書いてある音符を勝手に変えろ(崩せ)と言われると面喰らってしまうよね。
でもこれが出来ないとなかなかジャズの演奏に加われなかったりするから大問題。
さあ、どーする?

メロディーを少変化させて即席的なアレンジ(ちょっとオーバーだけど)を施す事をメロディー・フェイクと言います。
あくまでも元のメロディーが判別出来る程度に変化させるので、コテコテにいじり過ぎると「ダサイ」「ベタベタ」「クサい」と不評を乞う事になります。

よく誤解されているのが、単旋律に例えばブルーノートモドキの音を強引にくっつけたり、何でも半音の装飾音符をくっつけたりして過度のコテコテになってる状態。
もちろんフィーリングという点での気持ちは買うけど、もう少し冷静になるといいなぁ。

これまでにココで何度も出てきてますが、ジャズの装飾音符は大半がリズム(ビート)の中に組み込まれたものなので音符に拍が与えられているわけです。メロディー・フェイクを行う時も、よほど強調したい装飾音を除いて拍を割り当てる事を基本としましょう。

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(クリックで拡大/以下同じ)

よくあるスタンダード的なメロディーとコード。
テンポは180以上のやや速めのSwingです。
なので当然八分音符はレガートスタッカート。(跳ね過ぎるなよーぉ/笑)

元々スタンダードと呼ばれる曲には歌詞が付いるので全てが音符で表わされているわけではありません。また、歌詞のニアンスを統合した音符もあるのでインストで演奏するには不向きな音型もあります。そんな時に「省略」するものと「付け加える」ものを考えるのもメロディー・フェイクの第一歩です。

このメロディーも(英語の歌詞があると日本語と違って一つの音符にいくつかのワードが乗っているわけで本当はもっと細かいリズムが隠されています)、かなり統合された譜割りです。日本語で「ア・イ・シ・テ・ル」という歌詞を音符で表わすとストレートに八分音符5個を並べても書けますが、英語で「I Love You」という歌詞があると「I」で一拍、「LOVE」で一拍、「YOU」で一拍になります。さらに「I」はカナで書くと「アイ」というリズムを持っているわけで細かい音符に細分化も可能。さらに語呂を操れば「I LOVE」で一拍、「YOU」で一拍にもなるし、「I」で一拍「LOVE YOU」で一拍、もっと様々なリズムに乗せられるわけですね。これが装飾音符が付け足しではなく譜割りの出来る拍(音符)を与えるという理由にも繋がります。

困った事に、我々鍵盤楽器(ヴィブラフォンやマリンバ、ピアノなど)は平均律で音程がキッチリ区切られているので歌や管・弦楽器のように微妙な音程による音節風のニアンスが付けにくいのです。そうなると譜割り出来る音をフェイクに持ち込むしか方法がないのです。

ちなみに、ヴィブラフォンでファンを回してビブラートを付ける奏法は、この点でファンの回転によって微妙にピッチを揺らす事によってある程度対応していると言えるでしょう。

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鍵盤楽器が一番苦手とするのが、同じ音程の連打です。
まずメロディーをフェイクするにあたって5小節めにあるシンコペートした音の連打を変えます。コードがMaj7なので明るい方向に変化させるので全音としました。暗いコードの時は半音という事になります。
それらも含めてコードスケールのアナライズを行って的確な音を選ぶのがコツです。

ヴィブラフォンの演奏でファンを回している人は一つ一つの音の余韻やピッチが異なるので連打に関してここまで神経質にならなくてもいいでしょう。

全体の中で四分音符が連続している箇所は少しリズミックに変化させます。
何となく「まのび」した感じがなくなります。

さて、次は4本マレットで演奏する場合のフェイクです。
メロディーが長い部分には軽くコードによるカンピングを挿入します。

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ブロック・コードの場合(例えば1小節め)もあればオブリガード(例えば3小節め)の場合もあります。これらもコードスケールの割出しから音を選びます。
5小節めはリズムを強調する部分にブロックコードを付けています。
この場合はバンドで演奏している状態を想定してRootの音を省略(9thへの置換え)したヴォイシング。これはベース奏者との干渉を避ける為でベースがラインに組み込む5thもTensionに置換え(13th)ています。

メロディー・フェイクはアドリブの一番の入口です。
チャレンジあるのみ!

おしまい




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