2008/2/22

究極の練習その12・・・・カッコよく跨ぐ(其のニ)  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。第八十三回目の今日は先週の「カッコよく跨ぐ(其の一)」の続きです。

「跨ぐ」為にはリズムのパルスを自分の中で消化しておく必要があります。
無作為にやっても「着地点」が見えないと自分が何処にいるのかわからなくなってしまうからです。

ヴィブラフォンやマリンバは従来ピアノと同じように「平行移動」が苦手な部類の楽器でした。
ギターのように同じ指使いでフレットを平行移動する事が出来なかったからです。
しかし、ここで述べてきたように、ダブルストロークを使う事で従来よりは遥かに簡単に平行移動する事が可能になりました。

ヴィブラフォン奏者に限らずジャズでは演奏中に「アウトする」という言葉を聞いた事があるでしょう。
単調なII-Vの連結から離れてコードをリハーモナイズして行く奏法の事なのですが、この場合も「平行移動」を強いられます。
発想や奏法は「跨ぐ」とよく似ています。

さて、リズムに関して言えば、そんなに複雑なリズムはありません。
例えば、
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(クリックで拡大/以下同じ)

単純にアクセントの移動を行うだけで、この場合も前半2小節のパルスをベースに、後半にどのような「リズミック・テンション」を描くかです。

これは一つの短いリズムパルスを3つの音の区切りで感じる練習とも言えます。
前半2小節で同じリズムを繰返しパルスの時間を体感しておきます。

3小節めのリズムは1-2拍めは前の小節のパルス、3-4拍めはパルスにある一番細かい音符(この場合は八分音符)を刻むだけです。
そこにアクセントを挿入するのですが、この時に3-4拍めのアクセントの位置をずらして(前倒し)最後の八分音符を一つの到達点にします。

このアクセントで3小節めだけをしばらく繰返すと、リズムのパルスが徐々に2拍めの頭と3拍めの裏を強調すると「ノリ」(つまりスイング)やすくなる事がわかるでしょう。
ジャズに詳しい人なら「サイドワインダー」という曲のベースに流れるリズムと同じだと気付くでしょう。

3小節めの2拍め以降のリズムは3つの八分音符を1パターンとした1拍半のパルス(アクセント・パターン)です。
これをそのまま延長して4小節めを作ると八分音符3つの2アクセントパターン+八分音符2つ。
パターンで考えると八分音符が一つ次の小節(5小節め)に飛出しますね。
この飛出しが小節を跨ぐリズミック・フレージングの元となるわけです。
そのまま八分音符3つのアクセントパターンを継続すると6小節めの最後でパターンが小節の区切りと一致します。
もっと単純に考えれば、1小節めの頭から八分音符3つのアクセントパターンを繰返すと3小節で一周する、という事です。
また、3-4小節めを繰返すとボサノヴァのリズムと同じパルスである事もわかるでしょう。
これらのパルス感を覚えておきましょう。

さて、リズムのパルスだけではメロディーは生まれませんから、メロディー作りに対してコード的な法則を用いてみます。

・八分音符の頭はアプローチノートとする
・連続する3つの八分音符によるアクセントパターンの場合も先頭の音をアプローチノートとする

この法則で上のリズムをメロディー化すると次のような動きが出来ます。

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アクセントパターンの中のアプローチノートは(↓)で示しています

先週と同じKey of Gの曲の中の一時的な転調の部分です。
4小節めは次の小節に八分音符が一つ飛出しているのがわかるでしょう。
アクセントパターンとアプローチノートを組み合わす事で小節毎に区切られたフレージングから離れられるようになるのですね。
言わば「字あまり」が生んだ展開とでも申しましょうか・・・

実際に演奏中にアクセントパターンを挿入するとどうなるか、書いてみます。

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やや速めのスイングと仮定しています。
1-2小節めはダイアトニックに動きます。
リズムはそれぞれに要点を共通させています。
3小節めからがアクセントパターンへの入口で、助走です。
音の跳躍を使ってアクセントパターンとアプローチノートの挿入のイメージを作ります。
4-5小節めがアクセントパターン。
手順はダブルストロークで俊敏に対応します。
この場合は一時的な転調(5小節めから)に入るのでDの音をコモントーンとして一瞬安定させています。
6-7小節は下行のフレージングでリズム的には似た形を使って次の展開に備えます。
8小節めは新しい展開(9小節め)に向けた準備で、最後のDの音をRで弾いているので、次にどんなコードが来てもDよりも低い位置のメロディーを拾う準備がなされています。

リズム的な事とアプローチノートを組合わせると、拍を「跨ぐ」、小節を「跨ぐ」、調性を「跨ぐ」事が簡単にイメージ出来るようになります。
チャレンジあるのみ。

おしまい




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