2008/2/29

隙間、キミに任せたから・・・・・obbligato  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。第八十四回目の今日は「オブリガート」のお話しです。

ヴィブラフォンがフロントを努める楽器としてステージに上がっている時でも、マリンバがソリストでステージに上がっている時でも、例えば管楽器が主旋律を演奏している時に同じメロディーをユニゾンで演奏するばかりではないのは、少しでも演奏の経験がある人ならわかるでしょう。

「あ、サックスがメロね。ほんじゃコードで伴奏でも・・・・っと、っと、っと。あ、ピアノがコードでカンピングしてるし、、」

ジャズの演奏でセッションなどに出演すると、こういう状態に遭遇する事が多々有ります。

そんな時に「ボケ〜」と突っ立っていると「コノ、トーシローめ。フン!」な〜んて怖いベテランに睨まれたりします(笑)。
ステージに上がる以上はステージマナーというものがあり、それの一つも出来ない事には「オウオウおう、邪魔だ、邪魔だ。どいておくんなさい」な〜んて四面楚歌になったりするものです(江戸時代か!)。

まぁ、ノコノコと出て来て場所ばかり占領して、と睨まれる前に、ステージマナーを身に付けておきましょう。

で、

管楽器が主旋律を担当している時に、ヴィブラフォンやマリンバがコード伴奏という立場でもない時、叉は、編成でコード楽器が複数いる時などに、カウンター・メロディーを演奏する事があります。メロディーと言っても、主旋律は他の楽器が演奏してますから、サブ的にコード進行から主旋律を盛り立てるメロディーを即席で作るわけ。

日本ではカウンター・メロディーと言うよりも「オブリガート」の名称のほうが通っています。
「じゃサ、ラストテーマはヴァイブでオブリガート入れてよ」な〜んて感じで。

2本マレットで演奏している人は既に経験済みの人も多いと思うのですが、4本マレットで演奏している人は案外普段からコレに慣れてない場合があるんですね。コードは4本でブロックコードを弾くのに慣れているから空白地帯なのです。

「オブリガート」はソロ(アドリブ)じゃないので思いッ切りゴリゴリと演奏するものではありません。メロディー(主旋律)の周りに「それとな〜く」いる感じに仕上げないと、怖いバンマスに怒られます(笑)

取っ掛かりとしてメロディーに対するカウンター的なガイドを想定するところからオブリガートは始まります。

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(クリックで拡大/以下同じ)

上のラインが主旋律、下のラインがオブリガートとします。
最初に誰でも出来る事は、いくら変化球好きのジャズでも主旋律の大まかなところは曲によって決まっていますから、まずメロディーの音を抜いたコードトーン辺りを目安に、メロディーから一歩遅れた感じで「それとな〜く」盛り立ててみます。

何だか人の後ろに隠れて「バカ〜」とか言ってるみたいですが、それでいいんです。
出しゃばらず、がココでは肝心なのです。

しかし、これだけでは面白くありませんね。(もっとも、これが即座に出来ないとダメなんですよ)

そこで今度はメロディーの隙間にチョコチョコと動いてみます。

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最初の小節ではコードスケールにある音を使ってメロディーを超えた音域まで跳躍してみました。
2小節めはコードスケールがHMP5と予測出来るのでb9thの音を使っています。
ちょっとメロディーの影に隠れて「バカ〜」と言ってるだけじゃなくなりました。

次に、もう少しハーモニー的な遊びも入れてみましょう。

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こうなると“いわゆる”クールです。
最初に設定した簡単なメロディー(今日の最初に掲示)をターゲット・ノートとしてその前にアプローチノート(↑)を入れたわけです。
これなら無理をしないでも最初にターゲットとなる簡単なサブ・メロディーさえ浮べば、ここでこれまでに述べてきた事を使えば誰でもシンプルなオブリガートが作れる、というわけです。

しかし、この曲がkey of Db という事もあって、最後の小節でメロディーの後にオブリガートを入れると、何だか「字あまり」。

ここまでに説明した事をミックスして、最後の小節はメロディーに回帰すると、よりメロディーを引き立てる効果があります。何だかんだと動いても結局一番シンプルなユニゾンにはかなわないという事ですね。

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最初に示したシンプルなガイドトーンを守りつつ(2小節めはオクターブ跳躍)、アプローチノートも使いつつ、メロディーを引き立てる例です。

奏法としてはアプローチノートの箇所は必ずマレットダンプニングによってターゲットノートをクリアーに引き立てるのがコツ (便宜上“〜”で示した部分)。
2小節めの4拍めはコードスケール上にあるb9thがターゲットノートで、rootのAbがアプローチノートになっています。

オブリガート。
アドリブよりも簡潔に、言い換えれば、アドリブにチャレンジする前に修得しておくと良いわけです。

「んじゃ、ヴァイブに隙間、任せたから・・・」

と、言われても慌てないくらいジャズスタンダードのメロディーとコードを暗譜して練習しておきましょう。

おしまい




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