2008/4/24

グっと大人な・・・Johnny Hartman(vo)  木曜:Jazz & Classic Library

聞いてから読むか?見てから読むか?それとも読んでから観るか?
赤松敏弘MySpace 好評拡大中!

さてさて、夜の帳も降りる頃になって、一日の疲れを音楽で癒したくなる時。
リビングの灯りもちょっとダウンライトにして、少しお酒でも傾けながら楽しむ時。

そんな時にお薦めなのが本日のアルバム。

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『JOHN COLTRANE AND JOHNNY HARTMAN』(impulse/1963年)

四の五の言いません。このアルバムは最高に大人な時間を演出してくれます。

サックスのジョン・コルトレーンと言えば強烈なブロウでサックス界を大変革させた金字塔的な存在。モダンジャズからフリージャズの橋渡しという考え方も出来るくらいワイルドな演奏で、ジャズ=コルトレーンという時代を築いた人。

対して、男性ヴォーカルのジョニー・ハートマンは、かのナット・キングコールをさらにナイーブにしたような甘い歌声が魅力の実力派。

この二人が共演する事を当時予測した人はいなかったでしょう。
だって、一見すると水と油のような違いがあるわけですから。

ところが運命とは悪戯で、ちょうどコルトレーンが気に入ったマウスピースが見つからずに悶々としていた時にレーベルのプロデューサー、ボブ・シールがコルトレーンの苦悩を見据えてコールした事で生まれたという逸話がこの時期のコルトレーンの作品にはあります。

実際のところ、ありとあらゆるキーを自在に駆け回るコルトレーンの演奏スタイルでは長く息が続く事が大前提。ハーモニーの出ないサックスでハーモニー的なアプローチをするには急速でフレーズを吹ききらなければならず、マウスピースが不調だと大量に息を吹き込んで演奏するのは不可能。自由自在なブロウが真骨頂のコルトレーンとしては大いに悩んでいたのでしょう。

そこでボブ・シールは「ならばゆっくりした曲調のものを作ろう」。そう提案してクインテットによる「バラッズ」、そしてこのジョニー・ハートマンとの共演盤が出来上がった。
元来コルトレーンという人はムチャクチャ楽器が上手い人だったからシンプルな作品でも十分にファンを満足させられるという読みと、あまりにも音楽が複雑になっていた当時のコルトレーンの路線を一旦整理する為だったのでしょう。
また、ビジネスとしても、あの!コルトレーンが!?・・・という話題性もあってヒットする確率も高かったと言えます。

さあ、そうして出来上がったこの二つの作品。
自己のグループの「バラッズ」は日本でも全国のジャズ喫茶の定番となるほどに反響が大きく、このハートマンとの共演も同じようにヒットした。ボブ・シールの読みが見事に当たったわけです。

そうした舞台裏を置いたとしても、この二つのアルバムは非コルトレーン派をも巻き込んでファンを増やしていったのでした。

このハートマンとの共演盤は、何と言ってもハートマンの甘い歌声に魅了されます。
ねばっこい発音の多い黒人ヴォーカリストの中で例外的にソフトで綺麗な発音で歌うハートマン。美しいという形容がピッタリ。

その甘い歌声をピリリと山椒のように引き締めるのがコルトレーンのテナー。
これこそが多くの人がイメージする「ジャズ」。

ダウンライトに照らされながら、今日の疲れをハートマンの歌声で吸い取ってもらいましょう。

かくいう僕も「バラッズ」と「ジョニー・ハートマン」の二枚はコルトレーンのアルバムの中で一番リピート率が高いのです。

怪我の功名と言うとありふれた表現ですが、コルトレーンがどれだけサックスのマエストロであったかを知らしめた逸品。
今日はこれで、のんびりしましょ。

おしまい




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