2006/5/25

深夜の長距離走行必須アイテム・・・Keith Jarrett  木曜:Jazz & Classic Library

キース・ジャレットを知らないジャズファンは恐らくいないだろう
古くはキースがバークリーを卒業(いや、正式には名誉中退だったかも)した直後の1960年代後半のチャールズ・ロイド(ts)のバンドでの活躍(5/4のブログで紹介)、そして彼の名前を一躍有名にしたマイルス・デイビス(tp)バンドへの参加、70年代に入るとドイツのブランド・レーベル「ECM」(4/27のブログで紹介)で次々と放ったソロ・ピアノ集、80年代以降はトリオ「スタンダーズ」によるジャズスタンダードの新しい開拓。大まかに分けるとこの3つの何処かをみなさんも目撃している事になると思う。

さて、ヴィブラフォン奏者がキースの名前と演奏に出会ったのは1969年のマイルスのアルバム『アット・フィルモア』、当時中学校の同級生(音楽体験記にも出て来る漢方薬局の息子T君)が持って来たこのアルバムだった。しかしこの時のキースはオルガンしか弾いておらず大して気にとめる存在ではなかった。その直後に同じマイルスの『ライブ・イビル』を買って初めてオルガンながらその斬新なコードヴォイシングに感銘、直ぐレコード屋で探した結果ロイドの『フォレスト・フラワー』に辿り着きこの人が並々外れた力量のピアニストである事を知った

そんなキースの数あるアルバムの中で今夜お薦めするのはコレ
クリックすると元のサイズで表示します
『STAIRCASE/Keith Jarrett』(ECM/1976年録音)

キースのソロ・ピアノ集とくればきっと誰もが推薦するであろう永遠の名盤『The Koln Concert』(ECM/1975年録音)なんだと思う。
確かにあの「恐ろしいほどの静寂に包まれて」始まるPart-1の出だしのDm7-Am7-FMaj7-Gを聴いただけでホロリときてしまう
完全なる即興演奏でしかもライブ録音。一夜の幻を見るような思いで聴き進む事が出来る。それに対してこの『STAIRCASE』は完全なる即興演奏とは言えスタジオ録音だ。だからケルン・コンサートに比べるととてもクール。
同じ演奏者として思うのは「集中している時の演奏は短かめになる」という事。だからケルン・コンサートは連続演奏としても後に「Memories of Tomorrow」と題された最終曲を除けば15分に及ぶ演奏が多い。対して「ステアケース」は平均すると8分前後を1曲として区切ってある。だから「やりたい事だけをその瞬間にやったんだ」と言うのがこのアルバムの魅力。70年代初頭のスタジオ録音によるソロアルバム「フェイシング・ユー」もそう。
クリックすると元のサイズで表示します
『The Koln Concert』(ECM/1975年録音)

完全なる即興演奏は「まるでその場で譜面に書こうとしているような」音であるべきで、決して何度も繰り替えして代用出来るような音であってはならない

僕もキースと同じ完全な即興演奏を録音しています。スタジオの中にはヴィブラフォン、イメージ映像を映すスクリーン、録音用の2本のマイクロフォン、そしてTCR(タイム・カウンター)だけ。コンソールルームからは「目安となる5分前後のCue」のみ。譜面も譜面台も無い。午後から夕方までスクリーンに写し出される様々な風景を観ながら20曲近く演奏。
今でもCSテレビで時々放映されているのでタイムテーブルをチェックしてみて下さい。
番組名:ECO MUSIC COLORS
「ビブラフォン・エコー1」「同-2」。他に収録曲名が冠される場合も。

実はヴィブラフォンを始めてまだコードの事がよく分からない時期に、キースのこれらのアルバムを聴いて「耳」と「音感」だけを頼りにインプロヴァイズのトレーニングを頻繁にやりました。毎回終始を録音し、そして後で聴き返す。共演者などまだ見つかるあてもない高校時代ですから練習の素材はいつも自分自身。その甲斐あってコードネームだけに頼るコードインプロヴァイズとは違う「能力」(←ヲイヲイ)が後に作曲やアレンジと結び付いたので、人生バカバカしいなどと言う前に音楽家は実践あるのみ。

さて、キース・ジャレット

突然ヴィブラフォンの話しに飛びますが今週末から来日する師匠のゲイリー・バートン氏と言えば、チック・コリア(p)とのデュオが有名ですが、実はキースとの共演の方がアルバムとして先です。
クリックすると元のサイズで表示します
「Gary Burton & Keith Jarrett」(Atlantic/1970年録音)
バートン氏は68年のごく僅かな期間(ラリー・コリエル/gの退団後)バンドにチック・コリアを入れていますが編成としてそれは失敗だったようです。ヴィブラフォンとピアノの組み合わせは当時の音楽コンセプトとは一致せずギターと交替。そのバートン氏のバンドにキースが加わったのですから当時かなり注目されました(71年にこの編成で来るという噂がありましたが実現しませんでした)。デュオではなくバンドなのでその後のチック=ゲイリーのようなサウンドとは別ですが、曲の随所に二人のデュオが盛り込まれており、その後のヴィブラフォンとピアノのデュオに至る動機をこのアルバムから伺い知る事が出来きます。

今夜御紹介した『STAIRCASE/Keith Jarrett』の中で僕が好きな曲は
5曲目の“Hourglass Part-2”。当時この曲をドライブの時によく流していました。ある夜ループ橋に差し掛かった時、この曲が流れてその融合振りに思わず星空に吸い込まれそうになったのを覚えています。
今でも深夜の長距離走行でキースのソロ・アルバムを聴くと不思議と頭の中が浄化されてスッキリ。キースのピアノは夜が似合うのかも。

おしまい



2006/5/27  14:10

投稿者:あかまつとしひろ

>まっつん
そう言えば周りのミュージシャンでユーミン好きの人いますねぇ。なるほどそういう相関関係だったのか。僕は殆ど知りません(曲は耳から入ってきて知ってるけど曲名は怪しい)。昔の曲はその昔に長谷川きよしさんというシンガーソングライターがいて(今もいます)、最初の頃の曲はその人の曲に似てる印象があり新鮮ではありませんでした。今の曲は歌謡曲の王道って感じでそちらの方が個性的かな?

2006/5/25  6:28

投稿者:まっつん

ケルンコンサート大好きズラね〜
ステアケース今度探してみよ〜っと
ところでケルンコンサート世代の人って
ジャズもJ-POPも好きだって聞いたけど
殿はユーミンとか聞いたでつか?


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ