2008/12/19

ハーモナイズ奏法・4マレットの基礎のお話し・・  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。金曜第百二十回目の今日は「4本マレット奏法の基本・ハーモナイズ奏法」についてのお話し。

今週月曜日(08年12月15日)のブログで十代の終わりから東京に出て来た二十代前半の頃に使っていた「メモ帳」が出てきた事を書きましたが、パラパラとめくっていると、この世界に足を踏み入れた頃の事がいろいろと蘇ってきました。

当時は中学の頃からコツコツと独習で始めていたヴィブラフォンもそれなりに形になり、仕事やライブもこなしていましたが、ジャズの勉強というのは本を読むくらいしかしていなかったので、せっかく東京に来たのだからと知合いに紹介してもらったジャズピアニストにジャズのハーモニーを習いに通っていました。

「メモ帳」に書いた譜面と普段聴いている音源の差異や、ヘッドアレンジ的な事などを昼間習っては夜仕事で演奏して実践する、という繰返し。
まだバークリーのバの字も頭にはなく、ましてやゲイリー・バートン氏は雲の上の人。
でも、その時期に4本マレットの基本的な事は自分でマスターする事が出来ていました。

4本マレット奏法の基本、って?

僕は中学生で初めてヴィブラフォンを触った時から4本で始めました。
高校の音楽科に入って(ピアノ専攻で入ってすぐに転科したんですが)打楽器的な基礎を習う時に2本マレットをやったくらいです。
グリップも最初からバートン・グリップだったのでトラディショナルもムッサーも持ち方くらいしかやっていません。

で、

その立場からあえて4本マレットの基礎とは何か? を一言で言えば、ハーモナイズです。
今日はその事と冒頭の「メモ帳」辺りの事に絡んで進めてみます。

■リハーモナイズ

「メモ帳」に残るいろんな楽屋で書き写したジャズスタンダード。
曲が増えれば増えるで、案外コード進行のパターンは似たり寄ったりに少々うんざり。
そんな時に、コードを少し置換えて演奏する事を覚えました。

メモ帳にあったこんな曲、御存知の方も多いでしょう。

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(クリックで拡大/以下同じ)

未だにジャムセッションなどでも定番なのでしょうか?
超有名スタンダードの「It Could Happen To You」冒頭の部分で、メモ帳に書いてあったのをそのまま打ち出してみました。
当時スタンダードの中ではお気に入りの曲でした。

そのメモ帳の隣にはコードを以下のように置換えた同じ「It Could Happen To You」がありました。初期のリハーモナイズ跡です。(笑)

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恐らく当時はずっとこちらで演奏していたのでしょう。

いわゆるコード進行の定番 II-V の形を少しでも減らしたかったわけです。見比べると一目瞭然。II - V に該当する2小節目、4小節目、7-8小節目のコードを置換えています。
さらにメロディーに支障のない6小節めには逆にアクセントとして II -V を。
また、ベースを3小節目から F - F# - G - Ab - G -と繋ぐラインを設定しています。
恐らくこの頃に習ったパッシング・ディミニッシュなどを応用したのでしょうね。

但し、厳密に言えば F#dim は本物のディミニッシュ・コードではなくD7のハーモニック・マイナースケール・パーフェクト・フィフス・ビロウ(HMP5)です。ルート(D)を除いた上四声をそのままコードネーム化したもの。ベースラインの設定でこのような書き方をする事があります。D7(b9)/F# と書けば良いのですが、このタイプの似非ディミニッシュ・コードは市販されている譜面にはたくさんあるので要注意です。

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コードの置換えでコード進行とコードスケールが一新しました。


■ハーモナイズ奏法

僕が4本マレット奏法の基本と思うハーモナイズ奏法について書きます。
ハーモナイズとは文字通り「和声付け」の事です。
但し、ここで言う「和声付け」はコードによる伴奏(カンピング)では無く、メロディーに対して行う和声付けの事。

そして何よりも重要なのが、左右同時に弾く事なのです。

自分がコードに沿ってインプロするメロディー・ラインの下に、よくコーラスの人が言う「ハモリ」を入れるわけです。
これはコードネームを覚えた頃に遊びでよくやりました。

いきなりインプロでやれ!と言っても要領がわからないと思うので「It Could Happen To You」のメロディーに対して実践してみます。
4本の内、右外がR、左内がLで同時に演奏します。

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2小節目のメロディー「Db」に対してはドミナント・アプローチを使います。

左右同時に動く事、実は高校時代に2本マレットで基礎を習っている時に、その時は教えてくれなかった左右同時に弾く練習をしたくて勝手にバッハのインベーションなどを引っ張り出してやっていたのですね。ピアノから鍵盤楽器に入ったからでしょう。
しばらくして4本マレットで同じ事をやった時に、2本マレットで弾く時よりもスムーズに動く事を発見しました。グリップによる手首のバランスがバートン・グリップだと安定していたからでしょう。左右同時に動いても身体がブレないのです。

これがヒントになって、バートン・スタイルの4本奏法を自己分析する事が出来たように思います。

コツがわかれば、自分でインプロをする時に、常にメロディーに対してコードスケール内からハーモナイズ出来る音をピックアップしてみましょう。
そして同時に弾く=和声付け、これが4本奏法の基礎となります。

さて、同時に動かしていた右手、左手の動きをインプロをする場合に応用すると、自然にダブルストロークによるメロディー・ラインのイメージ・トレーニングに繋がります。

例えば、こんな感じ・・・

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ラインには上のハーモナイズで出た音しか使っていません。

この動きがやがてコードを弾きながらメロディーを弾く4本マレットによる独奏へと繋がって行くわけです。

「左右同時に弾く」 + 「ハーモナイズ奏法 」= ダブルストローク・フレージング

メロディーをシングルラインで弾いていても常にコードサウンドを感じさせられるわけです。

面白い連鎖でしょ?


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