2009/3/27



毎週金曜日はvibraphoneやmarimbaをやっている人向けのお話し。金曜第百二十八回目の今日は、「歌う」演奏への準備についてです。

今月は急なアクシデントで入院などもあってレギュラー・カテゴリーの更新もままならず、なかなかペースが定まりませんでしたが、ようやく体調も復帰、ちょっと遅れ気味ながら「ほぼ日刊」更新(月〜金)に戻します。
この間にいただいたたくさんのお見舞いや励ましのメール、ありがとうございました。

さて、この金曜日に登場した話題で「簡単そうなので後回しナンバーワン」、または「頭ではわかったつもりナンバーワン」なのが、、、、、

今年の2月13日の第百二十五回目に登場した「階名読み」。題して『固定ドはコード音痴の元凶』
つまり“移動ド”の重要性。

楽器を演奏する上で、「歌う」という効果をより具体的に示すとすれば、歌詞でも無い限りハミングではかなり曖昧。
そこで、先の『固定ドはコード音痴の元凶』というショッキングな記事では、移動ドの階名唱法を提示した。

コードを見ながら演奏する音楽、特にジャズのアドリブでは、自分が曲の中の調の「何処」にいるのかを常に意識しなければ安心して演奏出来ない。

これは、古典的なジャズのアドリブがメロディーのフェイクと和音のアルペジオを中心に発展していたのに対して、モーダルなジャズ以降、スケールを中心とした発想に代わってから、より重要性を増しているんですね。

先の『固定ドはコード音痴の元凶』の記事では、読み方についての法則と約束を示したので、一応頭には仕組みが入っている人も多い事でしょう。

では、実際に、曲の中で『移動ド』が示す意味を楽器を弾きながら検証してみましょう。

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(クリックで拡大/全小節が表示されます/以下同じ)

スタンダード・チューンの“It Could Happen To You”の一部です。
まず、メロディーを実際のキー(Eb)に沿って移動ドで歌ってみましょう。

歌うと、2小節めの「te」、4小節めの「fi」、がダイアトニック上にはない音程であることがわかります。
当然ながら、その部分のコードには要注意。

また、この部分のメロディー(2小節め、4小節め)は完全な平行移動なので2小節めのコード進行に合わせると4小節目は、Am7(b5)-D7(b9) というコード進行を当てはめる事も出来ます。

F#dim といういわば調性上では“無所属”のディミニッシュ・コードが突然出て来るには少々疑問符がある、と思っている人、そうなんです。これはF#のディミニッシュ・スケールと解釈するよりも、D7(b9)、つまりHMP5スケールを第3音(F#)から始めたスケールと解釈する事が出来ます。コードで書けば D7(b9)/F#

続く後半の4小節間はメロディーは特にキー(Eb)から変化するものはありません。
しかしながら、この部分には様々なアレンジが仕掛けてあって、6小節めは一時的に転調したかのようなコードの連鎖を含み(この場所のオリジナルのコードはAbMaj7ひとつ)、7−8小節はセカンダリー・ドミナントを使ってモーションをより強く表現しています。(オリジナルのコード進行は|Gm7|C7)

メロディーを歌っていると、ダイアトニックなメロディーであるが故に、確実にアレンジによってサウンドがゴージャスに響く事や、メロディーとコードサウンドのテンション感が増す事を感じられるでしょう。

メロディーが複雑な部分にはシンプルなコード、メロディーがシンプルな部分には複雑(相乗効果的という意味)なコードを、というアレンジ上のコントラストをキャッチしやすいのも移動ドなのですね。


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こちらはマイナー(短調)の曲。ボサノヴァ創世時の名曲“想い溢れて”(No More Blues)の一部分。
短調もdo(ド)が基音になります。決して「ラ」が基音ではありません。大きなミスに繋がるので要注意です。

短調は第三音、第六音、第七音が長調よりも半音低い音階で出来ています。
従って階名は第三音がme、第六音がle、第七音がte。
それ以外は長調と同じ音程がつかわれるので長調と同じ階名になります。

この基本は先の『固定ドはコード音痴の元凶』や、ヤマハから出版している『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』でも詳しく説明していますから参照してください。

まずはそれを頭に入れてこの曲を歌うと、小さな変化がたくさんあるのがわかるでしょう。

つまり、3小節めの「le」、5小節め〜6小節めの「ti」、7小節めの「ra」、8小節めの「mi」。
本来マイナーには含まれないこれらの音程が調性と共にモーションを生んでいるのがわかるでしょう。

さて、「歌う」という奏法。
移動ドでメロディーを読みながら、まずはオクターヴ・ユニゾンでメロディーを演奏してみましょう。
もしも、コードスケールがわかるなら、オクターヴ・ユニゾンによるソロ(インプロ)にチャレンジしてみましょう。

すると、驚くほど素直でピュアな演奏が目の前に広がる可能性があります。
左右交互という打楽器的な動きを制した左右同時のオクターヴ・ユニゾンは、移動ド感覚が磨かれる毎に、最も直感的で、最も感情的な演奏の入り口となるのです。

騙されたと思って、一度全てを移動ドに変えて演奏してみてください。
良い結果が得られるハズです。


世界の中で音楽は大半が移動ドなんですよ!
赤松敏弘MySpace

そして、

オフィシャルサイト
赤松敏弘Vibraphone Connection

チェキラ!



2009/3/31  4:10

投稿者:あかまつとしひろ

>新崎さん、
ご来訪歓迎します!
ほう、ディーガンですね。
昨年秋に一台売却のお手伝いをしましたよ。

2009/3/29  12:40

投稿者:新崎純

突然の訪問で失礼します。takiさんという方からブログに赤松さんの連絡方法を教えて戴きました。
3月28日のブログを見て戴けませんか。
最高クラスのDEAGANの情報です。

http://kemix.ti-da.net/


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