
GWは皆で時間を繰り合わせ、ある一日に集う。
精神の深みに魅せられた個々なる魂が、その過程で出会う秘密の場所。この世にありながら、この世に存在しない、その瞬間だけに立ち現れた彼岸の時間。あちら側で逢おうは言葉にされない合い言葉、符牒。今日はどんな姿の俺そしてお前が現れるか。高らかに誇れ、この集いそしてお前の存在を。
夕日が沈み、闇が訪れる。キャンプが急いで立てられる。音響が準備される。テントが立つが、音は出ない。最良の音響を狙ってセッティングされる。発電機が落ちる。ウーハーのワット数が大きすぎる。音と現実の葛藤。セッティング終了、そして全ての準備が整い今日の一日をねぎらって、乾杯。 焚火が燃え上がる。
最初のDJがそろそろと音を漂わせる。夜は沈黙によって深められる。神の果肉が供されて、皆の意識を痺れさせる。音楽に合わせて全身が伸長する。全身が電気で貫かれ神の叡智に想いを馳せる。
Sharmanic Hyperspaceの現出。トライバルなドラムで強化される劇場。その音を聴きながらモニターを必死で睨めつけて選曲しミキサーにドロップする。mixはmagic[k]、リアリティを縦横無尽に接続させる。空間が歪む。聖なる旋律が天上から降り注ぐ。
夜の深い闇から己の心をのぞき見る。毎日の自分の姿、そして何でもないまっさらの自分。グノーシス。それを全身に味わう。
時間は存在しない。既に記憶は失われた。ただいまを全身を龍のようにのたうつ。恍惚。
全身を伸ばす。心地よい呼吸とともに東の空が深い碧に変わってゆく。朝の訪れ。周囲を散歩してみる。緑がとても近く感じる。顔のない友人のように想う。
太陽が上がるとともにまた友人が現れる。遅れを取り戻すように踊る踊る。みんなもつられて笑う。踊る
。
皆の想いと叫び、歓喜、そして叶えられなかった想いが交差する。全身を開放せよ。太陽讃歌。
新しい縁がまた生まれ、無数に可能性を広げてゆく現実の裏側を結ぶ。その紐を手繰り寄せよ。神もなく、ただ自分の善きイメージのなかで祈れ。あらゆる可能性に賭けろ。光あれ。現実のみならず霊的に自由であれ。

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