昨日のコンサートは映画音楽だけを演奏しましたが、ディナーの後にはちょっと重たいJ.S.バッハの無伴奏パルティータ第2番から「シャコンヌ」を演奏しました。これが何の映画音楽かと言えば、その名も『無伴奏シャコンヌ』(原題は『Le Joueur De Violon』)、ベルギー人のシャルリー・ヴァン・ダムが監督をした1994年公開の映画です。この映画のラスト15分はこの曲の演奏シーン。演奏し終えた後の役者さんの深い視線が印象的な映画でした。
この曲はバッハの無伴奏作品の中でも別格で、こんなに気持ちを込められるバッハの作品を他に僕は知りません。毎回同じように演奏しようと思っても、その時の精神状態や気分によって色々な演奏が即興的に生まれます。また集中をちょっとでも切らすと演奏が崩壊してしまうので僕はこの曲を演奏する時は極限状態にあると言って良いでしょう。ヴァイオリンの為にこんな素晴らしい曲を遺してくれたバッハには感謝です。
昨日は何とか最後まで辿り着きましたが、やはり途中で集中力が途切れそうになる瞬間が何度かありました。そんな時はどうしても思うように弾けませんが、これからもこの曲は弾き続けていこうと思います。1月から2月にかけてはこの曲に触発された現代作品と併せて演奏しますので是非聴きに来てください!

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