2005/10/25
[14047] 009:眠 岩崎恵 2005年05月05日 (木) 13時38分
眠りから覚めたら君がいるような気がしたままで過ごす一日
一日夢の中なんだね。醒めたくなくて醒めないままの。
[14074] 059:十字 ジテンふみお 2005年05月05日 (木) 21時48分
腕ひしぎ十字固めに泣きながら我慢しているような夕焼け
めいっぱいのアンクルホールド受けながら涎のような日の入りを見る
[14107] 032:乾電池 みうらしんじ 2005年05月06日 (金) 00時59分
乾電池を換えてみたので本体が壊れていたと気づいてしまう
知らなければよかったの? それともそれが知りたかったの?
[14114] 072:インク 白玉だんご 2005年05月06日 (金) 03時11分
恩師からの賀状は変わらぬ青インク通信簿より二十年経て
そこにあるこだわりについては何も教わらないままだ。でもそれでよい。そういう関係なのだから。
[14155] 043:馬 みあ 2005年05月06日 (金) 21時02分
築100年 黒い柱の馬小屋の亡霊たちはにんじんが好き
亡霊も悪霊も環境に左右されてゆく。いや、家だってにんじんが好き。
[14168] 058:剣 ピッピ 2005年05月06日 (金) 22時17分
真剣な雨に降られて自転車のサドルが水に撃たれて焦げる
熱心なナンパであった。この街がメラメラ燃えて燃え尽きてゆく
[14194] 082:罠 白玉だんご 2005年05月07日 (土) 00時03分
初心者の陥る罠や無謀さを指導者は知るどの分野でも
その段は違う。天と地ほども違う。でも失敗も驕りもすべて計画どおりに行くはずなんかないのだ。予定は縦横に崩れ去るもの。
[14199] 087:計画 白玉だんご 2005年05月07日 (土) 00時05分
計画は倒されるべく立てられるわら半紙上に七月半ば
そんな紙の上にすべての時間が乗っかるはずなんてないもの。
[14205] 028:母 佐藤理江 2005年05月07日 (土) 00時17分
母と祖母曾祖母とゐて途中からこの世の人でなくなつてゆく
連綿としたつながりが夜に忍んで行くとき、その夜の向こうにまた昼があるのかを、昼に生きる僕らは誰も知らない。
[14206] 029:ならずもの 佐藤理江 2005年05月07日 (土) 00時18分
わたくしのさつきの怒り部屋中にこころならずものさばる真昼
余韻の中に実像はあるのだろうか。おそらくは瞬間ごとに失ってゆく感情の喪の仕事として次の感情は生まれるのだろう。
[14215] 098:未来 白玉だんご 2005年05月07日 (土) 00時41分
録画とは未来の時間を食いつぶし過去をわざわざ繰り返す技
ひとつのものはある一定時間にひとつの場所しか占有できない。としたら、今はどこから来てどこへ去ってゆくのだろうか。
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